香港の仮想通貨取引所ビットメックス(BitMEX)は1日、仮想通貨プロジェクトがイニシャル・コイン・オファリング(ICO)で調達した額と同等額の通貨がすでに売却されているという新たな調査結果を発表した。

仮想通貨分析のトークンアナリシスと提携してまとめたこの調査結果は、2018年はイーサリアム(ETH)価格の下落しているにもかかわらず、ICOプロジェクトがが保有する未実現利益は9300万ドル(約106億円)、「実現済み」利益は7億2700万ドル(約828億円)と述べている。

ビットメックスとトークンアナリストは以下のようにまとめている。

「最近、イーサリアムの価値下落のためにプロジェクトが苦しんでいるというより、マクロレベルでは、彼らが調達したイーサリアムを既にほぼ売却しているように見える(米ドル換算)」

「ICOプロジェクトがまだ保有しているイーサリアムは、現在の価格約230ドルのレベルにおいてさえも、損益ではなく未実現利益がある水準だ」

仮想通貨分析Diarの9月24日の報告によると、プロジェクトの70%は、ICO時に集めた額よりもトークンの価値が低くなっていると結論づけている。

「仮想通貨の上位100位外で、資金調達に関し信頼できる情報を提供している562のトークンを調査したら、ICOで調達した価値の合計よりも50億ドルほど価値が少なくなっていることが分かった」

「10のうち7のトークンは、調達した額より価値が低くなっている」

ビットメックスはICOについて以下のように言及した。

「資金調達のツールとして、ICOは驚異的な成功をおさめた。それはイーサリアムの価格がさらに大幅に下落しても、成功に傷をつけることがない程のものだ」