◆欧州のマイニング企業BitfuryがIPOを検討
◆実現すれば仮想通貨関連企業のIPOとしては欧州初になる
◆仮想通貨の相場の低迷とは対照的に投資環境は悪くないのかもしれない

オランダの仮想通貨マイニングのスタートアップであるBitfuryが、IPO(新規公開株式)を含めた戦略的なオプションを検討している。ブルームバーグが26日に報じた。仮想通貨相場の低迷が続く中、業界に対する投資環境が悪くないことを示す一つの例だ。

ブルームバーグによると、もしBitfuryがIPOをすれば仮想通貨関連企業のIPOとして欧州初となる。BItfuryはアムステルダムかロンドン、香港で早ければ来年にもIPO実施を計画しているという。また、社債など負債による資金調達など他の選択肢も検討していて、まだ最終決定はしていない。

マイニングは、コンピューターを使って高度な数学の計算式を解くことで仮想通貨ブロックチェーンの取引を承認すること。マイナーは新しく生成された仮想通貨とともに手数料収入を得ることができる。

Bitfuryはロンドンとアムステルダムを拠点に2011年に設立された。今年3月までの12ヶ月間に40億5000万ドルの売上高をあげた。

仮想通貨業界のIPO

マイニング業界では中国のマイニング大手ビットメイン(Bitmain)がすでにIPO申請をした。今年1~6月の売上高は28億ドル(約3136億円)で、ブルームバーグによるとIPOによる資金調達額は30億ドルに上る可能性があるという。

また昨日は、米国の仮想通貨取引所コインベースもIPOを計画していると報道された。CNBCによるとコインベースの今年第3四半期(7-9月期)の売上高は9000万ドル(約100億円)。仮想通貨相場が最高値を更新した2017年の第4四半期(10-12月期)の売上高は4億5000万ドル(約500億円)だったという。

攻める大企業 
沈黙する相場

大企業が仮想通貨市場に着々と進出する一方、相場の反応が鈍い状態が続いている。例えば、16日に米大手投資会社フィデリティ(Fidelity)が機関投資家向けに仮想通貨取引サービスを開始すると報じられたが、仮想通貨相場の反応は限定的だった。ウォール街の大手金融機関が仮想通貨のカストディ(資産管理)サービスをすることで機関投資家に安心感を与えるというのは、大きなニュースのはずだった。仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルのマイク・ノボクラッツ(Mike Novogratz)氏の言葉を借りれば、「仮想通貨相場は弱気だが、インフラや労働市場は強気」な状態が今も続いている。

23日には、ビットコインの20日間のヒストリカル・ボラティリティは31.5%まで下落。アマゾンやネットフリックス、エヌビディアをすでに下回ったほか、29.3%のアップルに近づいていると報じられた

ビットコイン・アメリカドルチャート/トレーディングビュー

(引用元:Trading View 「BTC/米ドルの推移(1ヶ月)」)

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