これまで発行されたイーサリアム基盤のテザー(USDT)は一枚もバーン(焼却)されていない。フリップサイド・クリプト(Flipside Crypto)が最新のレポートの中で指摘した。テザーは今年に入ってからも新規の発行量を増やし続け、先日には時価総額でリップル(XRP)を抜いた。「テザーは仮想通貨業界のFRB(連邦準備理事会)だ」という見方も出ている

(出典:Flipside Crypto「仮想通貨エコシステム内でのUSDTの流れ」)

テザーは裁定取引目的

またフリップサイドは、テザーの第一のユースケースが取引所間のアービトラージ(裁定取引)であると指摘。テザーの最高技術責任者(CTO)であるパオロ・アードイノ氏が望むような、分散型金融(DeFi)市場に安定感を供給するという使われ方はされていないことが分かった。

「明らかなのは、テザーがフォビやビットフィネックス、バイナンスなど中央集権的な取引所で使われている点だ。これらの取引所間で常時行ったり来たりしていることから裁定取引が主な使われ方と考えられる。1つの取引所で多くのテザーを購入して別の取引所で高値で売ることで簡単に利益をあげられる」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン