◆ビットコインを保有するカナダ人が増加
◆45~54才の中年世代がけん引
◆「投資目的」の増加が顕著だった
カナダで中年世代を中心にビットコイン(BTC)の普及率と仮想通貨に対する認知度が高まっている。カナダの中央銀行であるカナダ銀行とオンタリオ州の証券委員会が調査結果を公表した。この調査は2017年に行われたもので、ビットコインが最高値を更新した年におけるビットコイン保有者の内訳や保有理由について詳細なデータを示している。
この調査によると、ビットコインを保有していると回答したカナダ人は2016年の2.9%だったが2017年には5%に上昇した。とりわけ上昇率が顕著だったのが45~54才の中年世代。2016年の0.9%だったが2017年にはほぼ4倍の3.5%まで急上昇した。
また男女比で見ると、女性の保有率はほぼ変わらず2%だったが、男性の保有率は4.2%から8.1%とほぼ2倍増えた。
一方、すでにビットコインを保有する人々の間でのビットコイン保有比率にはあまり変化が見られなかった。このためカナダ銀行などは、「新たな個人投資家の参入が増加したのではないか」と分析した。
(引用元:カナダ銀行 「ビットコイン保有比率」)
ビットコインをなぜ保有?
カナダ銀行とオンタリオ州の証券委員会は、ビットコインを保有する理由についても調査した。以下がその結果だ。
(引用元:カナダ銀行 「ビットコインを保有する理由」)
2017年の回答者の間でビットコインを保有する主な理由は「投資」。半数以上の58%が投資目的だと回答した。2番目に多かった理由が「友達がビットコインを持っているから」で、3番目は「新しい技術に興味があるから」だった。一方、「カナダ国内外でネットで売買をするため」と回答した人は10%にみたなかった。
2016年と比べて最も変化したのは、投資目的で保有する人の割合。2016年は12%だったが2017年は58%だった。一方「新しい技術」や「売買目的」を理由に挙げた人の割合は低下した。
カナダ銀行などは、この結果について、2017年末にかけての価格高騰に見られるように、「投機目的」でビットコインが買われているという研究結果を裏付けたと分析した。
ただこの調査結果はあくまで2017年のもので、弱気相場に突入している2018年におけるビットコイン保有者の動向を表したものではない。年初来から仮想通貨相場の低迷が続いており、「投資目的」で2017年にビットコインを購入した人がその後どうしたのか、新たな調査結果が待たれる。