ビットコインのスケーリングについての議論は益々加熱してきている。数年に渡って続いている論争は残り数週間でターニングポイントを迎えそうだ。Bitcoin Unlimitedのプロポーザルがネットワーク全体のハッシュパワーのうち、37%以上という前例のない高さに到達したことで、ビットコインの議論を呼んできたハードフォークの問題、特にネットワークにおける過半数の総合意なしにハードフォークが実行される可能性が現実味を帯びてきている。
コミュニティ内の誰もが思う最も重要な問題は、"フォーク後、損失を最小限に抑えるためにはどうすればよいのか?"ということになりつつあり、それがまさに私がこの記事の中で見つけたい答えである。しかしまず初めに、既に在るものから軽く見直していこうと思う。
西部戦線異状なし
ビットコインのスケーリングに関する議論の始まりは、遡ること2014年から2015年に始まる。当時、ビットコインコミュニティ全体がネットワークにおける取引のキャパシティに限界があるという事実に着目し始めていた。その限界とは、多くの場合、秒間7つのトランザクションしか処理できないということと、潤沢で巨大なユーザーベースを考えると、それでは余りにも遅くすぎるということの2つを指す。
恐怖心による正当化: 2年後、ビットコイン・ネットワークは明らかに急速に成長する利用者に求められる取引の頻度をコントロールすることが出来なくなる。ユーザーは過去数カ月に渡り、驚くべきウェイトタイムを経験してきた―メモリプール―つまり、未認証のトランザクションのバッファ―をほぼ毎週記録更新し続けていたのだ。
ユーザーベースの技術的な成長の継続を可能にするために、どうにかしてビットコインが調整されなければならない、という意見に対する反論はコミュニティには存在しない。議論が分かれているポイント―そして、ここで重要な最も議論されている部分―それは実行される方法なのである。
今日スケーリング問題を解決することが期待されている主なソリューションは、Segregated Witness(SegWit)とBitcoin Unlimited(BU)の2つだ。どちらも既にソフトウェア開発は終了しているが、案が採用されるためにはマイナーから過半数の支持を得る必要がある。それはつまり、両アップデートが異なる理由でそれぞれの反対意見を言っているおかげで、実行がとても難しくなっているということだ。
元々は2つのライバル的関係にある技術間の競争という形を取っていたのだが―ここに来てそれだけではなくなってきている。しかしながら、技術的観点から見るとどちらも完璧ではないようだ。どちらも決定的な、本問題における優位性を示すことに失敗しているからだ。
技術的なコンセンサスが得ることが難しいかもしれないと明らかになった後、その衝突は非常に政治的なものとなった。関係する意思決定者の多くが毅然とした態度で望んでおり、いかなる状況においても断固として引かんとした意思を表明している。