昨年8月にビットコインキャッシュが誕生して以来、ビットコインの分岐はICOと同じくらい珍しいものでは無くなっている。

 珍しいどころか、ビットコインの分岐は18年の最新トレンドになっている。多くの企業が聞き慣れたビットコインの名前に便乗して利益を得ようとしているからだ。

今年は50のビットコインのフォークが計画されている

 一番よく知られるビットコインの分岐コインはビットコインキャッシュだが、昨年はこれ以外にも19種ものビットコインの分岐コインが生まれている。

 しかし今年は新たに50のビットコインからの分岐が計画されているというから驚きだ。( オートノマスリサーチでフィンテック戦略のグローバル・ディレクターを務めるレックス・ソコリン氏が予測した数値)

 ビットコインのクローンを生み出すための初歩的なプログラミング技術を提供するサービスすら存在する今、この数字はさらに増える可能性がある。このことは当然、仮想通貨市場に多大な影響を及ぼす。

 「ビットコインもビットコインキャッシュも分岐し続け、各々の価値の10%以上が分岐コインに振り分けられることになる。

金目当ての分岐が大半

 ビットコインのブロックチェーンから分岐する理由は多々ある。ビットコインキャッシュの場合のようにこれまでのコインを改良するために行われる場合もあるが、異なった動機を持つ分岐も存在する。コイノミのジョージ・キミオニスCEOは、次のように指摘する。

 「残念ながら、今日見られる分岐ベースのプロジェクトの大半は、単なる金目当てだ。今から数年後に振り返ってみた時、ブロックチェーンのエコシステムに寄与しようとする真面目な試みというよりは、価格上昇の数字に目の眩んだ投資家によって作られた変異体に過ぎなかったことに気づくかもしれない。」

 近々予定されているビットコインプライベートの分岐に携わるレット・クレイトン氏は、次のように予測する。

「ビットコインの分岐コインは、新しいアルトコインのようなものだ。今後、ビットコインの分岐コインが数多く登場するだろう。そしてそういった分岐コインが、上位100以内のアルトコインのいくつかに取って代わり始めるだろう」

 あまり知られていない分岐コインはさておき、ニュースになったビットコインゴールドやビットコインダイヤモンドのような分岐コインさえも、ブロックチェーンの環境に真の意味で多くを付け加えるとは考え難い。ビットコインキャッシュですら、呉忌寒(ウー・ジーハン)氏やロジャー・バー氏等による金儲けの目論みとの関連が取り沙汰されてきた。

 ブロックチェーンを向上させようとする試みと、ビットコインという名の響きを利用した金儲けとの境界線は、極めて曖昧だ。