去年11月にビットコインキャッシュからハードフォークして誕生したビットコインSVが、執筆時間(5月30日8時30分)までの24時間で50%以上急騰している。世界最大の仮想通貨取引所のバイナンスに再び上場するというフェイクニュースが中国で出回ったことが背景にあるのではないかという見方が出ている。
(出典:CoinMarketCap「ビットコインSV /米ドル(1日)」)
ビットコインSVがバイナンスに再上場するというフェイクニュースの存在したのは、仮想通貨投資会社プリミティブ・ベンチャーズの創業メンバーであるドビー・ワン氏だ。
中国最大のSNSウィーチャットのスクリーンには、「CSW(クレイグ・ライト氏)が5万BTCを最大のBTCウォレットからバイナンスに移動した。そして、バイナンスは彼を本物のサトシと認めた。このためCZ(バイナンスのCEO)はビットコインSV(BSV)を再び上場させてツイッターで謝罪する」と書かれている。
クレイグ・ライト氏はビットコインSVを率いるNチェーンのチーフ・サイエンティスト。バイナンスは先月15日、ビットコインのコミュニティーメンバーを名誉毀損で訴える構えをみせたクレイグ・ライト氏への嫌悪感から、ビットコインSVの上場廃止を決定。CZも「クレイグ・ライトはサトシじゃない。もう我慢の限界だ。上場廃止だ!」と怒りのツイートをしていた。
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ライト氏は、ビットコイン創始者のサトシ・ナカモトは自分だと主張を続けている。去年11月にハードフォークした際もライト氏は、ビットメインの創業者ジハン・ウー氏やBitcoin.comのロジャー・バーCEOが率いたビットコインABCと激しく対立しており、しばしばトラブルメーカーと見られている。
ワン氏によると、ウィーチャットではリンクではなくスクリーンショットを使ってニュースが拡散されることが多い。今回、フェイクニュースの犯人は仮想通貨ニュースサイトと同じテンプレートを使って投資家を欺こうとしたのではないかとみている。
ワン氏は、「このフェイクニュースは中国の個人投資家の間で急速に拡散された」と話した。
一方、バイナンスのCZもビットコインSV急騰について、「注意しろ。中国のフェイクニュースによって引き起こされている」と述べた。