ビットコイン(BTC)ホドラーが投機家を打ち負かしているようだ。データをみると、仮想通貨(暗号資産)の強気の動きが「始まったばかり」であることを示すことを示している。

グレイスケール(Grayscale)が発行したビットコインレポートによると、「ホドラーvs投機家インデックス」(HSI)が強気のダイバージェンスを示している。

グレイスケール「16年はじめと同じ構造」

HSIは、ネットワーク参加者がBTCをどのように使用しているかを分析するため、ウォレットからのビットコインのアクティビティを調べ、市場のセンチメントを測定しようとするものだ。

オンチェーン分析を手掛けるコインメトリックス(Coin Metrics)から収集したデータは、1~3年にわたって動いていないコインを「ホドラー」コインとして分類している。「投機家」コインは過去90日間で移動したコインだ。

これを比較すると、8月時点で、投機家コインが減少する一方で、ホドラーコインの数が急上昇していることを示している。

「市場には少数の投機家に比べて、ホドラーの数が増えており、ビットコインが潜在的に有望であるようにみえる」と、レポートの著者のフィル・ボネロ氏はコメントしている。

さらにボネロ氏は「2016年はじめと同様の構造になっていることに注目して欲しい」と付け加えている。

Bitcoin Hodler vs. Speculator Index historical chart

出典: Grayscale/ Coin Metrics BTCのホドラーvs投資家指数のチャート

一部のアナリストは既に、ビットコインの現在の状態が2016年に類似しており、過去最高値である2万ドルを目指す強気の動きが始まっていると指摘している

「ビットコインの『ホドラー』がピークを記録し、『投機家』が底打ちすることは、強気相場が始まったばかりであることを示す素晴らしい指標だ」と、資産運用企業Caprioleの創業者であるチャールズ・エドワーズ氏もツイッターで付け加えている

1年間動きのないBTCが増加

一方、グレイスケールのレポートは、2020年にビットコイン投資家の強さについてさらなる洞察を提供している。

過去12ヶ月間の値動きが非常に多様だったにもかかわらず、BTCを維持する動きは健在であり、現在の年間最高値である12,000ドルまで上昇しても売却する動きが出ていない。

「ビットコインブロックチェーンは、1年以上も所有されているビットコインがこれまでにないレベルになっていことは注目に値する」と、ボネロ氏は指摘している。

「この指標は、現在の投資家のビットコインへの強い信念を示している。これはサプライサイドの指標だが、ビットコインのユースケースに対して価値の保存手段としての需要も示している。ボラティリティにもかかわらず、トレーディングではなく、ビットコインを保有することに投資家が関心を持っているようだ」

Bitcoin 1-year dormant supply historical chart

出典: Grayscale 1年間動きのないビットコイン

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン