ついに2万ドルを突破したビットコイン。今年の強気市場と2017年の上昇を比べると、今回の相場はよりしっかりとした基盤になっているようだ。

ヘッジとしてのビットコイン

2017年は個人投資家の投機的な参入で一気に上昇したが、2020年は投資家が明確な目的を持ってビットコインを保有していることが大きな違いだ。

インフレヘッジとしての有効性があるという認識が、特に金融政策へ造詣が深い投資家たちの間で広がったことが大きい。

ビットコインは創設以来、他のどのアルトコインよりも優れた価値を蓄えてきた。2020年5月の半減期を迎えて、ビットコインの希少性がより顕著になった。

仮想通貨分析企業チェイナリシスは11月、次のように報告している。

「ビットコインを初めて購入する人や不安定なマクロ経済に対するヘッジとして法定通貨をビットコインに変換しようとしている買い手が、現在の需要の多くを担っている。」

機関投資家の需要

2020年は大手企業がビットコインの勢いを強めた年だ。個人投資家によって急騰した2017年とは異なり、2020年は大手機関投資家が主導した。

コインテレグラフでも今年は、機関投資家によるビットコインへの参入を報じてきた。ポール・チューダー・ジョーンズ、スタンリー・ドラッケンミラー、マイクロストラテジー、グレイスケール 、ペイパル、スクエア、マスミューチュアル、ラファー・インベストメントなどが続々とビットコインの購入を表明してきた。

こうした大手投資家や企業の名前は2017年には存在しなせず、主にFOMO(取り残されることへの恐怖)によって、2017年の急騰は起きた。

非流動性ウォレット

2020年と2017年の、もう一つの大きな違いは、「非流動性ウォレット(別名、投資家保有ビットコイン)」に保有されているビットコインの量だ。

チェイナリシスは、非流動性ウォレットについて、投資家が受け取ったビットコインの25%未満しか送信していないウォレットと定義している。

これによると、非流動性ウォレットには現在流通しているとされる1480万BTCの4分の3以上が保有されていることになる。チェイナリシスによると、この金額は5年以上、現在のアドレスから移動していないという。

同社は以下のように説明している。

「これから見ると、需要の増加に応じて、買い手が入手できるビットコインは340万のみだ。『投資家保有ビットコイン』は、2017年末以降、急速に増加している。つまり、投資家は手っ取り早く利益を得るために利益を確定せず、ビットコインの購入後は保有を続けているということだ」

(出典:チェイナリシス」「2017年以降の『トレードされているビットコイン』と『投資家保有ビットコイン』の乖離」)

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン