ビットコインのスケーラビリティ問題は、5月22日に予定されているRSK LabsによるGingerのテストネットのリリースにより何かしらの影響を受けるだろうことが予想される。
Gingerは、RSKプラットフォーム初のメインネットバージョンで、民主的なオープンアクセスを提供する唯一のプロダクション・ネットワークだ。
Rootstockの生みの親であるRSK Labsは、双方間のペッグと、ビットコイン・ブロックチェーンへのマージマイニング機能を備えたスマートコントラクト・プラットフォームである。
運用が可能になれば、RSKは、秒間100トランザクションの処理と即時決済を可能にするためSegWit導入の必要がなく、また、イーサリアムが現在実行可能なことの大半、もしくは全てを―6倍の速さで―行えると謳われているものだ。これはイーサリアム仮想マシンと完全な互換性を実現しているためだ。しかし、これがビットコイン・ネットワークと組み合わさることでどのようなことが実現可能になるのだろうか。
永続的な解決策になり得る?
昨今、ビットコインのスケーラビリティ問題は、ブロックサイズを如何に解決するか、というデッドロックに対する永続的なソリューションを求めるコミュニティの声を大きく高めている。RSKは一時的な短期の解決策として考えられている一方、共同設立者のガブリエル・カーマン氏は、RSKは長期的なビットコインのスケーラビリティ問題の解決策になり得ると、次のように述べている―
「SegWitや、2MBへブロックサイズ制限を拡張する方法でも、短期的に見ればビットコインが現在直面している問題の解決や、手数料の削減などが実現できます。しかし、長期的に見れば、何十億もの人々にビットコインを利用してもらうためには、RSKのようなドライブチェーンを利用したスケーリングが必要になります」
一般的なビットコイン・ネットワーク上でのスマートコントラクト・プラットフォームの役割は、ビットコインをネイティブな通貨として扱い、ビットコイン・ブロックチェーンと接続し、容易にビットコインとスマートBTCを相互にペッグした状態で交換できるようにすることにある。
長期的なスケーリング
「RSKは、秒間最大100トランザクションの処理を可能にします。(対して現在はわずか7トランザクション)しかし、Luminoのトランザクション圧縮プロトコル (LTCP) を利用すれば、秒間2,000トランザクションまで処理が可能になります!一旦RSKにLumino Networkのデプロイが完了すれば、オフチェーンでは2万tpsでの処理が可能になりますから、VISAの処理能力に匹敵するレベルです。長期のビットコインのスケーリングが可能になります」と、カーマン氏は語る。
しかし、SegWItを運用する必要がないという事実は、SegWIt自体が必要ではないということには直結していない。特に、RSKの完全なロールアウトまでまだ時間がかかることからもそれは言えると、カーマン氏は語る―
「しかし、それでも展性にまつわる問題を解決するためにSegWitは必要になってくるでしょう。RSKは、SegWIt導入の有無に関わらず上手くいくはずです。RSKのリリースと完全なマージまではまだ何ヶ月もかかりますから、それまでSegWItを導入してスケーラビリティを確保するのが良策だと思います」
マイナーたちにRSKの運用方法に対する発言権があるかどうかについて、カーマン氏は、オープンソースである以上常にマイナー達には発言権があり、将来的なアップデートの内容や、新たな機能の受け入れなど、彼らの声も将来的な機能改善に繋がるとしている。
RSKのチームがこの1秒あたりのトランザクション数を増やす画期的なソリューションを成功させることが出来れば、ビットコインの価値と、その価格の大きな促進力になることは間違いないだろう。