ビットコイン(BTC)は木曜、6月のサポート水準である9万8000ドルを割り込み、2月以来初めて日足で安値切り下げ・高値切り下げの明確な弱気構造を形成した。下落は金曜も続き、9万4500ドルまで下落。2025年の年初価格である9万3500ドルが目前に迫り、年初来の上昇幅が消える瀬戸際にある。

2年間続いた上昇トレンドが崩壊の危機

先週、ビットコインは50週間単純移動平均(SMA)を週末の急反発で守ったものの、今週は再び同水準を割り込む展開となった。日曜までに10万1000ドルを回復しなければ、週足での明確な割り込みが確定する状況にある。

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ビットコイン 週足チャート Source: Cointelegraph/TradingView

この50週SMAは2023年9月以来、構造的なサポートとして機能し、直近2年間の上昇トレンドを定義してきた。もしこれを下抜けて確定すれば、上昇トレンドの否定だけでなく、ビットコインの強気モメンタムが大幅に弱まったことを示し、より大きな調整につながる可能性がある。

ビットコイン研究者のアクセル・アドラー・ジュニア氏は、「市場にはもはやサポートが残っておらず、主要指標がすべてレジスタンスに転じた」と指摘。11月14日にBTCが10万ドルを失って以降、地合いが急速に悪化していると述べた。

オンチェーンデータでも短期保有者(STH)の実現価格帯が、反発ポイントから上値の壁へと反転したことが示されている。特に、短期保有者の1週間〜1カ月の実現価格(10万2400ドル)と、1カ月〜3カ月帯(9万8000ドル)は、11億ドル超の清算を経てレジスタンスへと転じている。

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ビットコインの主要サポートとレジスタンス Source: X

一方、クリプトクオントのキ・ヨンジュ氏は、短期的な底候補として「6〜12カ月保有者の平均取得価格(9万4000ドル)」を挙げる。この水準で反発すれば底形成の手掛かりになり得るが、高い時間軸で明確に割り込んだ場合は、損失拡大と弱気市場入りを決定づけるリスクがある。

短期保有者が含み損に直面

クリプトクオントのデータによると、9万8000ドル割れは新規参入者と短期保有者に急激なストレスをもたらした。新規投資家は含み損が3.46%、過去1カ月の買い手は7.71%の損失となっている。

最も重要なのは、過去6カ月以内に買った中核的な短期保有者層が12.79%もの含み損を抱えている点だ。

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Source: CryptoQuant

こうした含み損の深さは歴史的に「投げ売り局面」と重なりやすく、恐怖の中で反射的に売却する投資家が増えることで下落が加速する一方、長期保有者による巻き取りの土壌が整う。

短期の実現損益も13%低下しており、パニックはすでにピークに近づきつつあるとみられる。多くの場合、こうした局面が落ち着くと、より安定した回復パターンが形成され始める。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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