ビットコインは7日に7500ドルを回復した。しかし、相場を引っ張る材料不足が続く中、方向感のない展開が続いている。
(出典:Coin360 日本時間12月7日10時35分時点)
今年のビットコイン相場をけん引してきた2つのストーリーが岐路に立たされている。
1つは、ビットコイン安全資産説。今年5月の強気相場の頃、米中貿易戦争が悪化する中でビットコインが資産の逃避先として重宝されているというナラティブが盛んに取り上げられた。しかし、最近は統計的にビットコイン安全資産説に陰りが出てきている他、むしろリスクオン資産であるという対照的な見方が出ている。
もう1つは、中国情勢だ。10月末に習近平国家主席がブロックチェーンを国家戦略として推進すると発表。ブロックチェーンではなく、ブロックチェーンの適応例として最も成功しているビットコインにも恩恵がもたらされるという期待が高まった。
しかしその後中国政府は、仮想通貨取引所の取り締まりを強化。あくまでブロックチェーンと仮想通貨を切り離して考える姿勢を見せた。
ただ、中国政府の対応については額面通りではなく「行間を読む」ことが必要とみる専門家もいる。
バイナンスコインもピークアウト?
ブルームバーグは7日、仮想通貨時価総額トップ10のうち、年初来のパフォーマンスでビットコインを上回ったのはバイナンスコインだけであると指摘。ただバイナンスコインの隆盛はIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)と共にあったとし、IEOブームが今年前半でピークを迎えたことからバイナンスコインの今後のパフォーマンスを疑問視する声を伝えている。
IEOはICOと異なり、取引所の利用者しか購入できないが、トークンを取引所が審査することからICOよりも信頼感があると言われている。