仮想通貨投資商品のプロバイダーである21シェアーズのリサーチストラテジスト、マット・メナ氏によれば、ビットコイン(BTC)は、強固なファンダメンタルズに支えられ、当面のあいだ下落トレンドに入る可能性は低い。
「需要の急増に対して供給ベースが急速に減少しており、長期的な調整局面が続くとは考えにくい」とメナ氏はコインテレグラフに語っている。
「現在はネガティブな材料よりも、ポジティブな要素の方がはるかに多い」とも付け加えた。
取引所・OTCのBTC供給量が過去最低を更新
メナ氏によれば、仮想通貨取引所およびOTC(店頭取引)デスクにおけるビットコイン供給量は過去最低水準にとどまっており、そうした中で需要だけがさらに上昇している状況だという。
「供給側のファンダメンタルズは、より偏ってきている」と分析している。
ビットコインは月曜日に12万2884ドルの史上最高値を記録した。ビットフィネックスは、現在ビットコイン市場に新規参入している強気派は価格に頓着せず、マイナーの供給スピードを上回るペースでBTCを買い進めていると指摘している。
なお、今回の新高値は、7月9日に記録した直近の史上最高値11万1970ドルを突破してから数日以内の出来事であり、週末まで強気の流れが継続したかたちとなった。
コインマーケットキャップのデータによれば、記事執筆時点でのビットコイン価格は11万7804ドルで推移している。
メナ氏は2025年前半について、「米国上場のビットコインETFが、今年採掘されるBTCの数倍をすでに吸収している」と指摘している。
さらに、「それには企業の財務部門による買いは含まれていない。彼らは目立たぬかたちで継続的に買い増している」と語った。
マクロリスクには注意が必要
もっとも、上昇が永続するとは限らないともメナ氏は警告する。
「ビットコインが保ち合いに入る可能性や、ある程度の反落が起こる可能性は十分ある」と述べたうえで、仮想通貨市場全体に影響を与える可能性がある2つのマクロリスクを挙げた。
「ひとつは、トランプ氏が提案している関税が市場予想よりも大幅に厳しい内容となるケース。もうひとつは、パウエル議長が利下げ開始時期を予想より遅らせる姿勢を見せた場合である。いずれもリスク資産全体の見直しにつながり、ビットコインにも影響が及ぶ」という。
それでも21シェアーズの見立てでは、「今後6カ月以内にビットコインが大幅な価格下落に見舞われる可能性は低い」という。
「夏が終わって市場に流動性が戻れば、再び上昇モメンタムが強まると予想している」とメナ氏は付け加えた。
メナ氏は、「流動性が薄く、季節的に最も相場が弱い夏の時期に、ビットコインが過去最高値を更新していること自体が異例」だと強調した。
コイングラスのデータによれば、ビットコインの第3四半期(7〜9月)は、2013年以降で平均リターンがわずか6.32%にとどまる最弱の期間とされてきた。
「夏場は一般に市場が停滞しやすく、トレーダーは休暇に入り、出来高が減り、価格変動も乏しくなるのが通例だ。だが今回のサイクルはその常識を打ち破っている」とメナ氏は結んだ。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】