ビットコイン・マイニング協議会(BMC)のレポートによると、世界のビットコイン・マイニングで使われる電力のうち、第二四半期に56%が再生可能エネルギーが占めたことが分かった。

1日に発表されたリリースによると、「ビットコインマイニングに使われるエネルギーは急速に効率化が進み、どの主要国や産業よりも高い比率で再生可能エネルギーを使用しており、マイニングのエネルギー量は取るに足らないことが示された」と強調した。

ただ、この調査の信憑性が高いかは疑問だ。

調査では実際のエネルギー消費を詳細に調べたわけではなく、BMCメンバーに聞き取り調査を行っただけだからだ。メンバーは現在、64%が再生可能エネルギーを使用していると回答。BMCメンバーは全世界のビットコインネットワークの32%に相当することから、世界では56%が再生可能エネルギーに対応していると算出した。

Global Sustainable Energy Mix: Bitcoin Mining Council

レポートによると、BMCはメンバーに対し、「1日の全体の電力消費量はいくらか」「現在の電力構成における再生可能エネルギーの割合はいくらか」「現在の総ハッシュレートはいくらか」という3項目のみの聞き取り調査から数値を算出しただけで、どこまで実際の活動に則しているかは不明だ。

レポートでは、全世界で生み出されているエネルギー量162,194TWhに対し、マイニングでのエネルギー消費は189TWhと0.1%ほどになるとした。

Bitcoin Mining Global Energy Use: Bitcoin Mining Council

イーロン・マスクは動かせるのか

イーロン・マスク氏は6月、世界のビットコインマイニングネットワークで、少なくとも50%が再生可能エネルギーによって支えられていることが証明された場合、テスラはビットコイン取引を再開すると述べた。しかし、BMCの調査では、まだ彼の心を動かすことはできないだろう。

一方で、マイクロストラテジーでCEOを務め、BMCのメンバーでもあるマイケル・セイラー氏は、このレポートに「満足」しており、ビットコインマイニング業界が自主的に「重要な情報」を一般の人々や政策立案者に提供していると述べた。

同氏は、「ビットコインのエネルギー使用の性質と規模に関する一般的な誤解を明確にする」のに役立つと調査の意義を強調した。