少なくとも米国の上場企業4社が6月17日、仮想通貨への投資を強化すると発表し、合計で8億4400万ドル相当の資金を調達した。各社ともビットコイン(BTC)など仮想通貨を活用して財務戦略を強化する狙いだ。

最も大規模な調達を実施したのは、香港に拠点を置くレトルト食品販売企業DDCエンタープライズだ。DDCは総額5億2800万ドルの資金調達を発表し、そのすべてをビットコイン購入に充てる方針を明らかにした。

資金の内訳は、3億ドルの転換社債、2億ドルの信用枠、そして2600万ドルの株式売却となっている。出資元にはダラスの投資会社アンソン・ファンズが名を連ねており、アニモカブランズのベンチャーキャピタル部門も大口出資を行った。

DDCは「世界で最も価値あるビットコイントレジャリーの構築」を目指すとしており、5月23日には第1弾として21BTCを取得。同社は今後3年間で合計5000BTCの購入を目標としている。

フォールド、ビットコイン購入のため2億5000万ドル調達

米国のビットコイン金融サービス上場企業フォールド・ホールディングスも、火曜日に2億5000万ドルの株式購入枠を確保したと発表。調達資金の主な用途はビットコインの買い増しとされている。

この契約により、フォールドは新規発行株を最大2億5000万ドル分まで随時発行し、SEC(米証券取引委員会)による再販登録が承認されれば、それらの株式を私募で販売できるようになる。

現在の価格をもとにすれば、フォールドはこの金額で理論上2390BTCを取得できる。仮に半分の金額をビットコインに充てた場合でも、現有の1490BTCの保有量は大幅に増加することになる。

ビットマイン、株式調達で1630万ドルのビットコイン購入

ビットコインのマイニング機器をレンタルするビットマイン・イマージョン・テクノロジーズは、最近実施した株式発行で得た資金を使って1630万ドル分のビットコインを購入したと発表した

取得したのは154.16BTCで、平均取得価格は10万6033ドルとなっている。

同社は今回の購入が、自社マイニングと資金調達を組み合わせたBTC保有量の拡大という新しい戦略に沿ったものであると説明。6月6日に調達した資金の一部を使って、6月9日には最初の100BTCを取得していた。

アイノビア、HYPEトークンを財務資産に導入

米ナスダックに上場するバイオテック企業アイノビアも、同日5000万ドルの資金調達を発表し、仮想通貨トークン「ハイパーリキッド(HYPE)」を財務資産として長期保有する方針を明らかにした

ハイパーリキッドは独自のレイヤー1ブロックチェーン上で構築された分散型デリバティブ取引所で、HYPEトークンはステーキングやガバナンス、アクティブトレーダーへのエアドロップなどに活用される。

アイノビアは今回、約101万HYPE(現在の価格で約4010万ドル相当)を取得し、アンカレッジ・デジタルのプラットフォームでステーキングするという。

また、同社は今後社名をハイペリオン・ディーファイ(Hyperion DeFi)へと変更し、新たなティッカー「HYPD」で上場を継続する予定だ。

仮想通貨戦略を主導するため、ヒョンス・ジョン氏を最高投資責任者(CIO)兼取締役に任命したことも発表された。

ジョン氏は「ハイパーリキッドは世界で最も急成長し、収益を生み出しているブロックチェーンの一つと見なしている」と述べた。

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