仮想通貨(暗号資産)データプロバイダーのスキュー(Skew)の最新データによると、ビットコイン(BTC)は2017年以来、3四半期連続でプラスとなったことはないことがわかった。もし、ビットコインが第4四半期をプラスで終えた場合、3四半期連続でプラスは3年ぶりの出来事となる。
第4四半期はBTCに弱気の季節
しかし、2018年、2019年と過去2回の第4四半期はー42.54%、ー13.6%とそれぞれ下落しており、歴史的にビットコインにとって有利な時期ではないことが示されている。
(出典:スキュー「ビットコインの四半期リターン」)
2016年後半から2018年まではビットコインは5四半期連続でプラスになっており、2017年末に史上最高値をつけた。
アナリストからはこの歴史的な上昇は2つの理由があるという。第一に、ビットコインが米国と韓国を含む主要市場で大規模な熱狂を見たこと。第二に、ビットコインは2016年7月に半減期を経験したが、これはネットワークにとって強気のマイルストーンだったことだ。
ブロック報酬の半減は、新たに発行されるビットコイン供給量に影響を与えるため、BTC価格にプラスの影響をもたらす。半減期を迎えると、新規のビットコインの生成が半分になるため、循環供給量が時間の経過とともに低下する。
そのため、ビットコインは半減期後に大きく暴騰する傾向がある。問題は、2016年の場合、半減期後の上昇は半減期後から15ヶ月後に来たことであり、一部のアナリストは、上昇相場の始まりが今の状態と比較して、いつ始まるのかを予想している。
4年ごとに起きる最新の半減期は、2020年5月に起こった。2016年と似たようなサイクルがとなった場合、ビットコインは2021年の第4四半期までに爆発的な上昇が起こる可能性が高い。
しかし、2018年以降、ビットコインは第4四半期にマイナスを記録している。こうした動きは、様々な理由で繰り返される可能性がある。米国の投資家は年末の税申告を明確化するためにビットコインを売却する傾向があり、アジアの保有者は新年を前に売却する傾向がある。
しかし、年内には金の上昇とドル安という2つの要因がBTCの強気相場を押し上げるかもしれない。
スイスの投資銀行大手UBSのストラテジストは、金は2021年を通じて継続的に上昇すると予想している。この予測は、他の基軸通貨に対するドルの弱さと一致している。
トレーダーが期待すること
短期的には、米国選挙に向けて米ドルが足元を固め始めていることから、トレーダーはビットコインの価格動向に慎重になっている。
一方、テクニカルアナリストは、ビットコインの価格について、10,500ドルと10,000ドルの2つの重要なテクニカルレベルを注意深く観察している。既報のように、10,000ドルのサポートエリアを失うと、大きな下落につながる可能性がある。クジラ(大口投資家)の動きは、9,800ドルのサポートエリアが弱まったことを示しており、大きな調整を引き起こすかもしれない。
(出典:エドワード・モーラ「ビットコインの日足チャート」
仮想通貨のテクニカルアナリストであるエドワード・モーラ氏は、ビットコインが11,000ドル以上に戻るまでは弱気のままだと述べている。
「日足で確信を持って11,000ドルの上でクローズするまでは弱気だ。10500〜10450ドルでの反応を期待しているが、これが日足での最も近いサポートだ」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン