ビットコイン(BTC)がインフレへのヘッジ手段として、金(ゴールド)の代替物になるというストーリーは、何年ものにわたって、人気を持っている。

その一方でこれまで金とビットコイン、この2つの資産では時価総額に大きな違いがあり、金とBTCの類似性という指摘にも限界があるとみなされていた。金は2020年12月にビットコインが急騰した後でも、時価総額でBTCの約4.6倍となっている。

しかし、米国の大手金融機関JPモルガンのストラテジストは、ビットコインが金の代替物になるというシナリオを主張している。

ブルームバーグの1月5日のレポートは、JPモルガンのストラテジストのニコラス・パニギルツォグロウ氏によるメモを引用している。このメモでは、ビットコインへの民間部門の総投資額が、現在金に投資されている額と等しくなる可能性が指摘されている。

しかし、そのようなシナリオは、ビットコインのボラティリティが金のボラティリティと同じ程度に収束する必要があると、パニギルツォグロウ氏らは強調している。そして、それにはかなりの時間がかかる可能性がある。

「代替通貨としての金のクラウディングアウトは、長期的にビットコインに大きなメリットがあることを意味する。ビットコインと金の間のボラティリティの収束がすぐに起こる可能性は低く、私たちの考えでは数年以上にわたるプロセスになるだろう。これはビットコインの理論上の価格が、14万6000ドルを超える必要があることを意味する。そのため、今年の目標価格としては持続不可能なものだろう」

ビットコインのボラティリティは確かに非常に高いものとなっている。1月4日に2万7700ドルまで急落した後、BTCは3万ドル以上にまで回復している。記事執筆時点では3万1500ドル付近で取引されている。

JPモルガンのストラテジストは、中長期的に投資環境を読むことは依然として難しいとも警告している。

「新年のはじめに、ビットコインのバリエーションとポジションの状況は、よりチャレンジングなものになっている。現在の投機的な熱狂がさらに拡散し、ビットコインの価格を5万ドルから10万ドルの領域へと押し上げる可能性を排除することができないが、私たちはそのような価格レベルは持続不可能だと考えている」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン

 

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