仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)はデジタルゴールドなのか。今年はじめの米イラン間での緊張激化、そして現在進行形の新型コロナウィルスの危機の中で、仮想通貨コミュニティの中で盛んに議論されてきた。

コインチェック共同創業者で、現在は専門役員を務めている大塚雄介氏が、今年2月以降のビットコインの価格動向について分析を行っている。新型コロナウィルスのパンデミックが、ビットコインにどのような影響を与えたのかを考察している。

3月の急落では金とともに下落

大塚氏は、3月11日のWHOによるパンデミック宣言、そしてトランプ大統領が欧州への渡航停止を発表したことで、市場心理に激震が走り、急激なリスクオフが発生したと指摘する。

株式、債券、原油をはじめ、安全資産の代表格である金、そしてビットコインも急落した。

出典:Coincheck

ただ、その後の展開はかなり異なる。金の価格は3月19日まで下落が続き、米株式指標S&P500は3月23日まで下落が続いたが、BTCは3月12日に底を打ち、「いち早く上昇傾向に転換」した。

大塚氏はこの点に注目し、「ビットコインが金や株式とは異なる資産としてみられるようになってきているのではないか」という仮説が立てられると指摘する。

「実体経済に対する不安が蔓延したことで、金ような実物資産ではないビットコインにも注目があつまっている」

実際に3月13日以降にグーグル検索でのビットコイン関連検索が増加したことや、米国でのビットコイン購入の動きが出てきたことを踏まえ、「ビットコインは第二の金として注目を浴び始めたのかもしれない」と、大塚氏は分析している。

4月以降は半減期効果も

4月後半からS&P500や金価格の上昇は低調になる一方で、ビットコインは上昇傾向を維持している。大塚氏は、5月12日に控えた半減期に向けて上昇傾向が維持されたとみている。

半減期後、ビットコインの価格の行方について、大塚氏は、2012年の1回目の半減期のケースを例にあげる。2012年には半減期の1ヶ月後に価格の急上昇が発生している。そのため、5月12日に起こった半減期についても「ビットコイン市場がどう動いてくいくのか、今後の動きに注目しておくと良いだろう」と、大塚氏は述べている。