「ビットコインを日用品の支払いに使うのは、時間とコストの面から、ほとんどの人にとって現実的ではない」。こう話すのは、米コインソース社のシェフィールド・クラークCEOだ。同社は全米各地にビットコインATMを展開する大手の1つ。CCNとのインタビューの中で、仮想通貨が普及するには政府による規制の整備が必要だと指摘する。

コインソース社はニューヨークやカリフォルニアなどで、現金でビットコインを購入できるビットコインATMを展開している。

同社のATMを利用する層は、BTCへの投機目的か、ほかのアルトコインへ投資するためにBTCを購入しているという。「日用品の決済であれば、従来型の金融ソリューションの方が容易でコストも安い」と話す。

またATMを利用する層の3分の1は、従来の金融機関にアクセスできない「アンバンク」層だと指摘している。

CCNとのインタビューの中で、クラークCEOは仮想通貨の決済にはまだまだ時間がかかるとの認識だ。

「ストリートにもっとATMを置くことで、…誰でも(仮想通貨に)アクセスできるようにすることはできる。しかし1週間で20%も価値が変動するリスクがなくなり、ビットコインで牛乳を買えるようになるまでは、一般大衆に広く採用される動きは緩慢なままだ」

ビットコインをはじめとする仮想通貨の普及には、政府による規制の整備が必要と指摘する。特に米国内では州ごとに規制が異なることで、執行において一貫性に欠けていることが大きな問題だという。クラーク氏は、さらに政府の規制がなければ、金融機関によるコントロールを受けることになると危惧する。

「ビットコインは分散型の理想を掲げているが、実際のビットコイン関連のビジネスにおいては銀行に大きく依存している。政府の規制がなければ、金融機関が仮想通貨事業者に対して、はるかに厳格な規制を課すことになるだろう」