著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

21日のビットコイン(BTC)対円相場は4.8万円安(- 4.69%)の97.7万円と、節目の100万円を割り込み2日続落した。20日のマイニングディフィカルティー下方調整後の相場復調が期待されたが、11年間動くことのなかった50BTCを保有するアドレスから10BTCの送金が検知されると、古参ネットワーク参加者の利食いが警戒され相場は急落。5月7日高値(107万円)と14日高値(106万円)を起点とする短期下降トレンドラインの上抜けは騙しとなり、105万円から102万円まで相場は押した(第1図)。翌21日もハッシュレートの下落が重なり、需給悪化への懸念から相場は概ね売り方主導で、一時は95万円まで安値を広げた。ディフィカルティーの下方調整は半減したマイナーの収益性を改善させるため好材料と予想したが、相場水準が低下したことでその効果はキャンセルアウトされたか。いずれにせよ、ディフィカルティー調整後の相場下落は市場で失望感を生むと共に、マイナーのBTC売りへの警戒感を誘っているだろう。

第1図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.ccより作成

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。