著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
14日のビットコイン(BTC)対円相場は22,712円(1.83%)高の1,260,611円と、高値圏レンジで2日続伸し126万円台を奪回。チャート上では三角保ち合いの様相を呈している(第2図)。前日に続きこの日はドル安となったものの、アジア時間のBTC相場は、一時解消されたビットフィネックスの取引停止が再び再開されたり、YAMプロトコルにバグが検知されたりと、セキュリティー面での悪材料が嫌気されたか上値を重くした。また、昨今のDeFiブームの影響でイーサリアムのGas代(ネットワーク手数料)が過去最高値を更新したと広く伝わると、それまでプラス圏で推移していたETHもマイナス圏へと沈み、BTCも連れて120万円を目指し一時は前日の上げ幅を掻き消す場面も見られた。一方、この日はチェーンリンク(LINK)が最高値を更新、時価総額5位に浮上しビットコインキャッシュを追い抜いた。分散型オラクルのチェーンリンクはDeFiアプリで広く利用される上、ERC-20トークンでもあることからETHの支援材料ともなり、欧州時間序盤にはETHはこの日のプラス圏を回復。ETHは今朝方に更に一段高、金相場の反発も追い風となりBTCはプラスに転じた。
第1図:BTC対円チャート(1分足)、前日平均値・4本値、騰落率、出来高 出所:bitbank.ccより作成
第2図:BTC対円チャート 日足 出所:bitbank.ccより作成