著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

13日〜19日のビットコイン(BTC)対円相場の週足は棒上げとなり、前週比729,543円(24.41%)高の3,718,739円と9ヶ月ぶり高値に終値を付けた。ドル建てでは、終値で28,000ドルを回復した。

世界的金融危機が危惧される中、スイス中銀によるクレディ・スイス(CS)の救済や、米大手11銀行によるファースト・リパブリック・バンク(FRC)への預金支援などで、先週木曜にはリスクオフムードが一時巻き戻り、BTCは300万円台前半で小確りと推移すると、同日に更新された15日時点の米連邦準備制度理事会(FRB)のバランスシート(BS)が、前週比+3000億ドルと拡大していたことが広く伝わり、実質的な量的引き締め(QT)停止が好感され、BTCは300万円台中盤に乗せた。

一方、金融危機への懸念は根強く、金曜の欧米の株式市場では金融株が再び急落。この日はシリコンバレー銀行(SVB)が、米破産法11条(チャプター11)の適用を申請した。これにより、米主要株価3指数は反落したが、BTCは米国債利回りの低下に逆行する格好で上昇し、360万円台に乗せた。

週末には、スイスのUBSグループが、政府の仲介の下でクレディ・スイスを買収すると報道され、相場は一段と上昇した。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成

続きはこちら