仮想通貨取引所バイナンスUSは利用規約を更新し、米ドルによる直接の出金がサポートされなくなることを示唆している。
バイナンスUSは10月16日に利用規約を更新し、米ドルの保管に関連するバイナンスUSのサービス「BAMフィアットウォレット」に関するセクションを大幅に変更した。更新された規約では、バイナンスUSはユーザーが米ドル資金をステーブルコインや他のデジタル資産に「変換」し、アカウントから資金を引き出すができるとしている。
前回の利用規約の更新と同様に、バイナンスUSはデジタル資産が連邦預金保険公社(FDIC)の保険保護の対象外であると強調した。
「米ドルの保管人との関係を終了し、別の米ドルの保管人を見つけられない場合、米ドルの預金を引き出すための通知と時間を提供する」と、バイナンスUSは2023年5月5日の更新で書いている。同社はさらに、「通知で提供された期限までに引き出されなかった米ドルの預金は、ステーブルコインのデジタル資産に変換され、デジタル資産のアカウントに移される」と付け加えた。
バイナンスUSの利用規約の最新の更新は、2023年5月に掲載されたバージョンとは大きく異なる点がある。当時のバージョンでは、BAM(バイナンスUSの運営者)はFDICのメンバーではなく、銀行ではないが、「米ドルの保管人と協力して、米ドルの預金がFDIC保険対象銀行のオムニバス口座に保管されるように努める」と記載されていた。
また5月時点の利用規約には、「銀行が破綻した場合、銀行の口座や法定通貨がFDICの預金保険の対象として集計される可能性がある。FDICの保険はBAMの破綻やBAMの従業員による不正行為から保護するものではない」と追記されていた。
バイナンスUSは過去1年間に一部の米ドル関連の業務を停止し、法定通貨の入出金のチャンネルを維持するのに苦労している。2023年6月、バイナンスUSは米ドルの入金を一時停止し、出金チャンネルの一時停止を顧客に通知した。その後、同社は米ドルの引き出し問題を解決したと発表したが、一時的な解決策であると警告した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン