仮想通貨取引所バイナンスUSは、2018年に手数料無料の仮想通貨取引を開拓したロビンフッドに続き、ビットコイン(BTC)スポット市場取引の取引手数料を撤廃した。

バイナンスUSのブライアン・シュローダーCEOは、これにより、同社はすべてのユーザーに対して、取引量の要件なしにビットコインのスポット取引手数料を撤廃する最初の米国の仮想通貨取引所となると述べた。また、取引にかかるスプレッドも稼がないことになると付け加えた。

「私たちは、これを、私たちの業界における手数料の在り方に革命を起こし、仮想通貨へのアクセス性を高め、必要な時に私たちの市場と顧客をより良くサポートする機会と捉えている」と述べている。

手数料の競争が激化しているというニュースは、競合他社にもプレッシャーを与えることになりそうだ。ライバルの米仮想通貨取引所コインベースの株価は水曜日に9.71%下落し、1株当たり51.91ドルまで下げた。すでに史上最安値を更新しているロビンフッド(HOOD)は、株価が比較的安定していた(記事執筆時点で-0.79%の7.49ドル)。

現在コインベースの取引手数料は0%~0.50%、クラーケンの取引手数料は0%~0.26%、FTX.USの取引手数料は0%~0.20%となっている。

取引手数料として請求される金額は、通常、通貨ペア、取引量、および注文がメーカーかテイカーかによって異なる。

シュローダー氏は6月22日、ブルームバーグに対し、Binance.USは手数料無料の取引からスプレッドを獲得せず、代わりに新しいステークサービスを含む他のソースから収益を得る予定であると説明している。

同氏は、取引手数料がゼロになることで、「新しいユーザーをもたらす」というポジティブなユーザー心理が生まれるとし、今後、手数料ゼロの取引を提供するトークンのリストを拡大する予定だと述べた。現在、米国認可の取引所のユーザーは、BTC/USD、BTC/USDT、BTC/USDC、BTC/BUSDの4つのビットコイン・スポット市場のペアで手数料無料の取引を利用することができる。

シュローダー氏は、「夏から新しい段階的な価格モデルを展開する」とも付け加えた。

段階的なシステムは、発表されたBTCペアを含む特定の仮想通貨を無料で取引できるTier 0、「資産ごと」に取引手数料が決定されるTier 1、Tier 2の3つに分けられる予定だ。これに関する詳細な情報は7月に発表されるという。

ロビンフッドは2014年に設立されたとき、手数料ゼロの株式取引の初期のパイオニアの1つで、その後の数年間で多くのオンライン証券会社が追随するようになった。仮想通貨の手数料無料は2018年に始まった。手数料はかからないが、その手数料無料の取引でスプレッドを得る形となる。取引において、スプレッドとは、取引ペアのビッド(売り)価格とアスク(買い)価格の差のことだ。