仮想通貨取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、競合の仮想通貨取引所FTXのネイティブトークンであるFTXトークン(FTT)の全ポジションを清算すると発表した。
7日のツイートでCZは、「最近明るみに出た事実」を受けての決断だと述べている。
その後のツイートでCZは、FTTの清算は、ルナ・クラシック(LUNC)の下落から学んだ教訓と、それが市場関係者に与えた影響による「リスク管理」だと説明した。
また、「他の業界プレーヤーに背を向けてロビー活動をする人たちをサポートすることはない」とも付け加えた。
Liquidating our FTT is just post-exit risk management, learning from LUNA. We gave support before, but we won't pretend to make love after divorce. We are not against anyone. But we won't support people who lobby against other industry players behind their backs. Onwards.
— CZ Binance (@cz_binance) November 6, 2022
バイナンスがトークンの清算を決定した背景は、サム・バンクマン=フリード氏が設立したアラメダ・リサーチから最近流出したバランスシートを巡る報道があり、アラメダの資産数十億ドル相当がFTXのトークンに絡んでいると主張していることによるものだろう。
しかし、アラメダ・リサーチのCEOであるキャロライン・エリソン氏は11月6日のツイートで、バランスシートは真相を反映していないと述べ、問題のシートは「私たちの企業体の一部分」のみで、100億ドル以上の価値がある他の資産は「そこに反映されていない」と指摘した。
- the balance sheet breaks out a few of our biggest long positions; we obviously have hedges that aren’t listed
— Caroline (@carolinecapital) November 6, 2022
- given the tightening in the crypto credit space this year we’ve returned most of our loans by now
バンクマン=フリード氏はツイートでエリソン氏の主張を支持し、「根拠のない噂が出回っている」と述べている。
コインテレグラフはバイナンスに清算の理由を問い合わせたところ、広報担当者は 「現時点では」これ以上の更新はないと述べた。
CZは、バイナンスがどれだけのFTTを売却するかは明言しなかったが、昨年FTX株式から撤退したことにより、バイナンスUSD(BUSD)とFTTで約21億米ドル相当を保有していることを明らかにした。
同氏は、バイナンスが「市場への影響を最小限に抑える」方法でトークンを売却すると付け加え、トークン売却が「完了するまでに数ヶ月かかる」と予想した。
オンチェーン分析では、当時約5億8400万ドル相当の約2300万FTTが未知のウォレットからバイナンスに転送されており、CZは取引所のトークン売却の一環であることをツイートした。
Yes, this is part of it. https://t.co/TnMSqRTutr
— CZ Binance (@cz_binance) November 6, 2022
一連の発表でFTTの価格は急騰し、わずか2時間で約23ドルから24.50ドルへ、その後9%以上暴落して22.28ドルとなった。FTTは過去24時間で、22.50ドル付近と4.3%以上下落している。