4日のブルームバーグによると、バイナンス・ラボのエラ・チャン社長が、イニシャル・コイン・オファリング(ICO)の「バブルがはじけることは、業界にとって良いこと」と発言した。
世界最大の仮想通貨取引所・バイナンスに加わって2カ月足らずのチャン氏は、投資家の継続的な増加で強気相場が維持されることを歓迎する一方、ICOのバブルがはじけて初めて業界が本当に価値あるプロジェクトに目を向けることができるとの考えを明かした。チャン氏はバブルがはじける時期を予測しなかったものの、次のように言及した。
「我々はバブルがはじけることを望む。この市場には未だに多くの詐欺が横行しているし、価格も割高で不合理だ。我々はバブルがはじけることが業界にとって良いことだと心の底から思う」
チャン氏は、仮想通貨ガバナンス・イニシアチブ(CGI)を立ち上げて、詐欺行為や草コインを撲滅させて仮想通貨とブロックチェーン技術発展に尽力する目的で、バイナンスにアドバイスをしている。これを受けてバイナンスは、支援する仮想通貨ファンドに対して、風説の流布を煽ってはならず、ホワイトペーパーに基づいた製品開発を行うことを約束させている。もし約束を破ればそのファンドに対する投資は停止される。今後3年〜5年にかけてバイナンス・ラボは、バイナンスで挙げた利益のうち10億ドルを様々なプロジェクトに投資する予定。一つのプロジェクトに対する投資額は、平均で100万~1000万ドルになる。現在バイナンスと提携しているファンドは20あり、すべてCGIの規定に従う義務がある。
バブルに関して4月には、ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が「ビットコインはバブルかもしれないが、バブルがはじけたとしても終わりを意味するわけではない」と指摘している。シラー教授は、政府を信用しない人々がビットコイン投資に魅力を感じている可能性があり、バブルの一因は政治的なものと分析している。