数ヶ月の計画やテストを経て、仮想通貨取引所バイナンスのデビットカードがすでに顧客に送付されたことがわかった。

バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は25日、「昨日の時点で、数量限定で出荷を開始したと聞いている」とツイート。バイナンスのデビットカードに関するつぶやきに返信した。

これまでの発表では欧州経済地域(EEA)でのカードの発売は8月とされており、CZのツイートは欧州顧客向けの送付と解釈できそうだ。

バイナンスカードがローンチされれば、ユーザーは仮想通貨を即座に法定通貨に変換して、通常のデビットカードのように使くことができる。ユーザーは何かを購入する前に手動で仮想通貨を法定通貨に交換する手間が省けることになる。

バイナンスカードのユーザーは、バイナンスのウォレットから直接カード用ウォレットにチャージしたり、BTC、BNB、SXP、BUSDのどの仮想通貨を使うのか優先順位を選択することができる。

コインテレグラフは詳細についてバイナンスに質問をしているが、記事執筆時点で返答は来ていない。

2020年に発表

世界最大の仮想通貨取引所であるバイナンスは2020年4月に「バイナンスカード」と呼ばれる仮想通貨を利用したデビットカードの計画を発表した。7月時点ではバイナンスカードと並行して、企業の買収を進めていることが明らかになっており、仮想通貨デビットカードを事業のスワイプ(Swipe)社を傘下に入れた。

スワイプは現在、フランスやドイツ、イタリア、スペインなどEEA内31カ国で利用できる。米国ではまだ利用不可だが、スワイプは適切なライセンス登録が完了した後にサービスをリリース予定であるとしている。

7月14日にはバイナンスは8月にも特定の地域でカードを発売する計画を公表。ビットコイン(BTC)やバイナンスコイン(BNB)、スワイプのネイティブトークンSXP、ステーブルコインであるバイナンスUSDの4銘柄をサポートする。

CZが10日のツイッターで明らかにしたように、7月には実験の一環として支払いオプションのテストを実施したことがわかっている。

CZはツイートの中で、ベータテストがAmazonのオーディオストアであるAudibleや、自動車配車サービスのGrab、eコマースプラットフォームのLazadaでの「実際の取引」を行っていると述べている。

CZによれば、これは事業者側で法定通貨で支払を受け入れている一方、BNBでの支払がバイナンスアカウントから行われているという。「バイナンスカードは最終的に99%から100%の仮想通貨に移行できると思う」と、CZは述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン