仮想通貨取引所バイナンスは、流動性の低下に悩まされているようだ。仮想通貨分析会社ナンセンのレポートによると、バイナンスは12月7日から12月13日まで36億ドル以上が出金されている。
バイナンスの総流出額は約88億ドル、総流入額は約51億ドルだ。
Binance Netflow 7D ($) -3,660,311,347
— Nansen (@nansen_ai) December 13, 2022
8,783,380,428 - Outflow
5,123,069,081 - Inflow
Exchange Flows dashboard ⤵️https://t.co/CYrBQLryQ0 pic.twitter.com/vV6vcqoWKK
また、バイナンスへのERC-20トークンの1日の純流入額は、11月当時は1日あたり20億ドル以上だったが、12月12~13日には10億ドルを超える流出に反転している。

ナンセンの技術者アンドリュー・サーマン氏によると、流動性の低下は、大規模なマーケットメーカーが取引所から退出したことが部分的に原因である可能性があるという。サーマン氏の調査によると、マーケットメーカーのWintermuteは12月11~12日に3億ドル以上を引き出し、Jump Financeは12月12~13日にバイナンスUSD(BUSD)で3000万ドル以上を償還したという。
バイナンスは取引高で世界最大の仮想通貨取引所。しかし12月12日に米司法省が同社の幹部を金融犯罪で告発することを検討しているとする報道があり、圧力を受けることとなった。司法省はこの件に関して公式な声明を発表していないが、バイナンスはこの報道が「誤り」であると主張している。
Reuters has it wrong again.
— Binance (@binance) December 12, 2022
Now they're attacking our incredible law enforcement team. A team that we're incredibly proud of - they've made crypto more secure for all of us.
Here’s the full statement we sent the reporter and a blog about our remarkable law enforcement team.
今回の流出に対して、バイナンスのCEOであるジャオ・チャンポン氏(通称「CZ」)は、今回の出来事はバイナンスに支払能力があることを証明する「ストレステスト」として機能するので、取引所にとって良いことかもしれないと主張している。
We saw some withdrawals today (net $1.14b ish). We have seen this before. Some days we have net withdrawals; some days we have net deposits. Business as usual for us.
— CZ Binance (@cz_binance) December 13, 2022
I actually think it is a good idea to “stress test withdrawals” on each CEX on a rotating basis.
1/2 https://t.co/uF9lLPDSyS
しかし、このような姿勢にもかかわらず、バイナンス自身の資料には、流動性が低いとスプレッドの拡大やスリッページの増加につながり、顧客にとってマイナスになる可能性があると記載されている。