世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは4月27日、ビットコインのマイニングプールを立ち上げたと発表した。仮想通貨業界からはマイニングにおける計算力を示すハッシュパワーのさらなる中央集権化が懸念されている。

今月始めにバイナンスが独自のマイニングプール立ち上げに向けて準備を進めていると報じられていた

「バイナンスプール」と呼ばれる新たなマイニングプールは、バイナンス利用者に新たな収益化の手段を与える。「マイニングからの収益はバイナンス取引所で直接トレードすることができる」という。

5月31日にまで手数料は無料。それ以降は2.5%になる。

バイナンスプールのトップであるリサ・へー氏は、コインテレグラ に対して、「マイナーに対して網羅的なプラットフォームを提供することを目指しており、伝統的なマイニングと金融サービスの橋渡しをすることでマイニング業界に新たな可能性をもたらす」と話した。

中央集権化への懸念も

ただ、仮想通貨業界からはビットコインのマイニングの中央集権化が懸念されている。

ツイッターからは「複数のマイニングプールが競うビットコインにとって理想的な形になるか、その逆になるかだ」という不安の声も出ている

へー氏は、中央集権化への懸念に対して、2018年にはマイニング機器製造者によるマイニングプールがビットコイン全体のネットワークの51%近くのハッュレートを保有していたと指摘し、むしろバイナンスの参入によって中央集権化の問題が解消されると主張した。

「バイナンスのようなプレイヤーがマイニング分野に進出して計算力で貢献することで、マイニング業界は2年前より分散化している。最大規模のプールは、ネットワーク全体でハッシュレートの2割も持っていない。一方でビットコインネットワークのセキュリティは強化される」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン