世界的な仮想通貨取引所バイナンスは、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)のライセンス取得に失敗したことを受け、オランダ市場から撤退する。

サービス終了は即時に実施され、オランダの新規顧客はバイナンスの取引所で口座を開設できなくなる。7月17日以降、既存のオランダ顧客はバイナンスプラットフォームから資産の出金だけしかできなくなり、購入・取引・入金はできなくなる。

バイナンスは、地元の規制に準拠した形でオランダの住民にサービスを提供するための多くの代替手段を検討したという。しかし、VASP登録への道筋を提供するような手段は存在しなかった。

現在、バイナンスはオランダの顧客に、バイナンスアカウントで次に取るべきステップに関する包括的な情報が記載されたメールを送信している。

2022年4月、バイナンスは、必要なライセンスと登録なしでオランダで営業していたことに対して、330万ユーロを超える罰金が科された。当時、オランダ中央銀行は、バイナンスがオランダで大規模な顧客基盤と、数十億ドル規模の大量の日次取引量を持っていると主張し、そのために重い罰金が科された。

バイナンスは、発表でマネーロンダリング防止とテロ資金調達規制に関する欧州連合(EU)の基準に準拠していると強調した。バイナンスは、フランス、イタリア、スペイン、ポーランド、スウェーデン、リトアニアなどのEU諸国での登録を引き合いに出し、EUの基準への準拠を示している。

バイナンスのオランダ市場からの撤退は、キプロスからの撤退計画が明らかになった数日後のことだ。6月14日、キプロス証券取引委員会は、バイナンス・キプロスを「登録抹消申請の審査対象」としてウェブサイトに掲載した。当時、バイナンスはコインテレグラフに対し、今後18か月間で新たな仮想通貨資産市場(MiCA)規制に完全に準拠することに注力しており、より大きなEU市場に焦点を当てていると述べていた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン