仮想通貨取引所バイナンスは、昨年にロシア市場からの完全撤退を発表したにもかかわらず、一部のロシア人顧客に対してサービスを継続している。

バイナンスの広報担当者は9月25日にコインテレグラフに対し「デジタル資産の安全性を確保するために、限られた数の既存ロシアユーザーに対してサービスを続けている」と語った。

バイナンスの広報担当者は、同社が「国際制裁規制を遵守しており、制裁対象の個人、団体、国に対する制限を完全に守っている」と強調した。

1年前のロシア市場からの撤退

約1年前、バイナンスはロシア市場から完全撤退し、新しい取引所「コムエックス」にロシア事業を売却したと発表した。2023年9月27日に発表された声明では、取引の詳細は明らかにされなかった。

当時、バイナンスの最高コンプライアンス責任者であるノア・パールマン氏は、規制遵守を確保しながらロシアに留まる方法はないと主張していた。パールマン氏は「将来を見据え、ロシアでの運営はバイナンスのコンプライアンス戦略と相いれない」と述べていた。

コインテレグラフへの新たな声明で、バイナンスはコンプライアンスが「最優先事項であり、法執行機関と効果的に協力し、業界をリードするコンプライアンスプログラムを確立することを目指している」と再確認した。

コムエックスは今年4月に事業停止

バイナンスのロシアユーザーをプラットフォームに移行してから数か月後、コムエックスはその事業の停止を発表した

コムエックスはバイナンスのロシア撤退前には知られておらず、創設者や主要経営者についての詳細は明らかにされていない。コムエックスはバイナンスとの直接的な関係を否定したが、チームにはバイナンス・ロシアの元スタッフが含まれていることを認めた。

バイナンスは昨年ロシア事業を終了したと主張したが、ロシアのコミュニティはソーシャルメディア上で活発に活動している。約13万人の購読者を持つバイナンスのロシア語ニュースチャンネルは、ロシアユーザーに取引ができなくなったことを通知した後も、バイナンスローンチプールでの新しいトークン上場などの更新情報を共有し続けている。

2024年1月の投稿で、チャンネルは「ロシア連邦外に居住し、住所証明を通じてこれを確認したロシア連邦市民に対するバイナンスP2Pへのアクセスは変更されない」としていた。

ロシアのトラフィックシェア

バイナンスがロシアからの撤退を発表して以来、現地のウェブサイト訪問数は大幅に減少した。

ウェブ解析プラットフォームSimilarWebによるデータによれば、2023年8月から2024年7月までの期間にバイナンスのウェブサイトトラフィックは43%減少した。

顕著な減少にもかかわらず、ロシアはこの期間中、バイナンスのウェブサイトの主要なトラフィック源の1つであり、全体の6%を占めていた。

ロシアのトラフィックシェアは、バイナンスの他の主要市場であるトルコ(8%)やベトナム(6.6%)と比較しても遜色ない。

10 top visiting countries on Binance’s website from August 2023 to July 2024. Source: SimilarWeb

バイナンスは、ロシアでの重要なトラフィックシェアやロシアユーザー向けの特定のサービスが市場での継続的な運営や回復を意味するかどうかについてコインテレグラフに明かさなかった。同社の広報担当者は「限られた数の既存ロシアユーザーにサービスを提供し続けているだけであり、今後の計画についてはコミュニティに通知する」と述べた。

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