ジョー・バイデン大統領が指名した財務省のテロ・金融犯罪部門の次官候補であるブライアン・ネルソン氏は、仮想通貨に関する新たな規制の導入を優先させると述べた。
上院銀行・住宅・都市問題委員会の公聴会でネルソン氏は22日、財務省のテロ・金融情報部門の役職が承認された場合、アンチマネーロンダリング(AML)規制に重点的に取り組むと述べ、特に仮想通貨が優先されると強調した。
ネルソン氏はネバダ州選出のキャサリン・コルテス・マスト上院議員からの「仮想通貨強盗による被害」に関する質問に答えた。ネルソン氏は、「2020年アンチマネーロンダリング法」には、既存の法律が及ばない仮想通貨に関する取引を防ぐため、規制当局の権限拡大が反映されていると述べた。一方で同氏は、仮想通貨は、米国における「責任あるイノベーション」の一環でもあることを強調した。
「もし私が承認されたら、仮想通貨に関する新たな規制を含め、法律の一部を優先的に実施する。仮想通貨やどのような形態の通貨であれ、バーチャルでもフィアットでも、銀行機密法の対象になるという新たな権限を与えるもの、あるいは法律を明確にしたものだ」
財務省傘下の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、1970年に制定された銀行機密法(BSA)を、特定のケースで仮想通貨に適用したことがある。ネルソン氏は、BSAは「通貨の形態にかかわらず、FinCENが規制の手段を確保するための強力なツール」であると述べた。
「仮想通貨やその他の新技術がアンチマネーロンダリングシステムを損なうことのないように規制することと、責任あるイノベーションを支援し、米国でそれを維持することとのバランスを考慮したものだ」
同じ上院の公聴会で、バイデン氏が指名した財務省のテロ資金調達担当次官補のエリザベス・ローゼンバーグ氏は、仮想通貨に対する現行のAML規制要件を「適切かつ一貫性のあるもの」にすることを検討すると述べた。現財務長官のジャネット・イエレンは以前、仮想通貨をAMLの「特別な懸念」と呼び、「主に不正な資金調達のためのもの」と考えていると話したことがある。