オープンソースのブラウザ大手、Mozilla(モジラ社)は、4月9日に公開したブログ記事で、仮想通貨マイニングマルウェアをブロックする機能の運用を最新版のFirefoxで開始したと発表した。

モジラ社は、Firefox Nightly 68およびBeta 67の最新版で、ブラウザのコンテンツブロッキング保護システムの一環として、仮想通貨マイニングおよび指紋認証ハッキングの攻撃を防ぐ新しいレベルの保護機能が利用できるようにしている。

このブラウザの新機能は、個人情報保護およびセキュリティソフトウェア会社のディスコネクト社と共同で開発されたもので、指紋認証および仮想通貨マイニングに関連するマルウェアのドメインのブラックリストを収集したものを利用している。

コンピューターセキュリティの情報サイトであるブリーピングコンピューターによると、ディスコネクト社のブラックリストは、コインハイブやクリプトルートなどといったブラウザ内のマイニングサービスをブロックすることが可能だという。

この新しいFirefoxの防護機能は、現在デフォルト設定では有効になっていないが、プライバシーとセキュリティの設定欄で有効にすることができる。またブログによると、Nightlyでは今後数週間のうちに、この防護機能がデフォルトで起動するようになるという。

コインテレグラフで報じた通り、モジラ社は昨年8月末、今後のFirefoxのバージョン改訂でクリプトジャッキングマルウェアをブロックする機能を追加してゆくことを既に発表していた。

クリプトジャッキングとは、ユーザーが知らないうちに同意なしでユーザーのコンピューターの処理能力を利用して仮想通貨のマイニングを展開する、主要なハッキングの手口である。ブルームバーグは、昨年12月、クリプトジャッキングは、伝えられるところによると、ランサムウェアの脅威を追い抜き、世界の多くの地域で最大のサイバー攻撃の脅威となったと報じている。

また日本では、コインハイブを使うのは違法なのかどうかを巡り開かれた裁判で、横浜地裁は先月27日に、ウェブデザイナーの男性(31)に無罪(求刑罰金10万円)を言い渡している。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 Major Web Browser Firefox by Mozilla Now Blocks Web-Based Cryptojacking