タイ銀行がステーブルコインの前線で規制強化を図っている。中央銀行は今週、韓国企業テラ発行のバーツ固定ステーブルコイン「タイ・バーツ・デジタル(THT)」には何の法的保証も保護もなく、タイの通貨法に違反していると、市民へ向けて警告を発した。

19日のロイターの記事によると、シリティダ・パノムウォン・ナ・アユディヤ中央銀行総裁補佐は会見で、規制措置を施行する前に市場の規制機関や関係者からの意見を検討すると語った。

規制対象となるのは、資産や外国通貨に担保されたステーブルコインとアルゴリズミック・ステーブルコインで、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)などの分散型仮想通貨は含まれない。後者の仮想通貨に関しては、投資家が自分自身でリスクを見極めることができると、シリティダ氏は言う。

バーツ担保型ステーブルコインの規制は、シンガポールや英国で取られている措置に概ね沿ったものとなるだろうとされている。たとえば、タイ銀行からの正式な認可を受けること、また電子マネーとして分類する可能性などが検討される。分類することによって、マネーロンダリングや受け渡しリスクに関することが中央銀行の監督対象となる。

タイ銀行はフィンテックやイノベーションの利点を理解し、新興テクノロジーの監視を続ける一方で、国内経済を支援し、金融システムの安定性を維持する政策を実行していくと、シリティダ氏は強調した

タイ銀行はまた、分散型台帳技術を使った中央銀行デジタル通貨のプロトタイプに関して、香港金融管理局、アラブ首長国連邦中央銀行、中国人民銀行デジタル通貨研究所と連携している。「中央銀行デジタル通貨ブリッジ(m-CBDC)」と名付けられたこのプロジェクトは、国境を越えた決済を実行する際「痛点」となる問題の緩和策を模索することを目的としている。