BitPayの年次報告書によると、同社の過去12ヵ月の取引における取引量の10%以上がBtoB決済によるものだったようだ。
グローバルな決済処理を行いビットコインによる様々なソリューションを提供しているBitPayは、1月に2015年度年次報告書を提出している。BitPayのリサーチャー曰く、平均的な2015年におけるBtoBによる支払いは大体2,500米国ドル余りだったようだ。これは消費者による決済の平均決済額である100米国ドルから比べて25倍以上も高い金額である。
多くのビットコイン・スタートアップがビットコイン・ネットワークを利用し、強固なセキュリティと低い取引手数料での決済を実現するべく、少額決済によるソリューションに注視している一方、BitPayは所謂BtoB、企業間取引による様々な企業間決済の重要性を強調している。
PayPalと銀行―その非効率性
慣例上、BtoBによる支払いは送金者と受金者の二者間でのやり取りによるものが多い。一般的には平均的な消費者の支払いよりも実質的に金額が大きいこういった取引は、銀行による送金であったり、PayPalのような従来の金融プラットフォームを通して処理される。しかし、決済を処理するのに銀行や金融機関を通して行うというのは非効率であり、処理されるまでに二週間もの営業日を要することはざらである。
さらに重要なのは、PayPalや銀行そのどちらも、全体の取引に対して10%近い手数料を取っているという点だ。
対照的に、ビットコインは高額支払いを処理するのに効率的な金融商品といえる。ビットコイン・ネットワーク上での取引は即座に処理され、取引額の大小にかかわらず手数料は同額だ。一方、既存の企業は、金額が大きい場合、より早く受理と承認がされるよう、マイニング手数料を上げる傾向にある。
ビットコインの利用
BitPayのチームによれば、企業が従来の決済方法で高額な支払いを処理する際、ビットコインを利用することで大きなメリットが得られると気付き始めているという。特にオランダに拠点を置く企業による国際的なBtoB決済の頻度が確実に増え始めていると見られており、法律、テクノロジー系スタートアップ、フリーランスも含め、様々な分野の企業が、平均的な消費者による支払いよりも高額な決済を、ビットコインを通じて行いつつあるようだ。
「広告を売るメディアサイト、IT企業、法務・会計サービスグループなどを含む、広く様々なジャンルの企業が、既にビットコインによる決済による恩恵を受けようと導入し始めています」と、BitPay共同設立者兼会長、Tony Gallippi氏は語った。