豪州の証券投資委員会(ASIC)は、新型コロナウィルスのパンデミックによって投資詐欺が急増していると報告している。特に仮想通貨関連の詐欺が懸念事項となっている。

6月24日のASICの発表によると、2020年3月から5月の間に投資詐欺の報告件数が、前年同期比で20%増加した。

多くの市民がコロナウィルスによる経済的不安を感じていることを悪用しているようだ。ASICの評価・インテリジェンス担当のエクゼクティブディレクターであるウォーレン・デイ氏は、詐欺グループが「古くからの戦術を新しく洗練した方法で使っている」と説明している。

「ASICは特に、フェイクの暗号資産を購入することで、消費者や投資家が損失を被ることを懸念している。ASICに報告されたほとんどの仮想通貨投資の案件は、完全な詐欺であり、投資対象となる実態は存在しなかった」

詐欺グループの摘発は「難しい」

またASICは、海外が活動している詐欺グループを摘発することは「難しい」と市民に警告している。消費者や投資家は「失ったお金を回収することは困難だ」と、ASICは述べている。

ASICは疑わしいスキームの典型的なケースのついて、いくつか例示している。「実際よりも安全」に聞こえるような投資案件、複数の絶えず変化する銀行口座への入金を求める事例、出会い系サイトを通じて直接仮想通貨や外貨を送金するよう指示する事例などを挙げている。

新型コロナのパンデミックが始まって以来、米国のFBIや英国の金融規制当局が詐欺の増加を警告している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン