アトミックウォレットが攻撃を受けたとの報告があり、利用者からは仮想通貨ポートフォリオが完全に失われたという声が上がっている。アトミックウォレットは分散型のノンカストディアルウォレットで、アプリケーション内で保管される資産の管理は利用者自身が負う。

アトミックウォレットのチームは6月3日のツイートで、「ウォレットが侵害されたとの報告を受けている。我々は全力を尽くして状況を調査し、分析している。情報が得られ次第、適宜共有する」と述べた。

投稿に対していくつかの利用者からは、資産がデジタルウォレットアプリから消えたという報告がある。盗まれた資産の追跡やハックされたプロジェクトの支援で知られるZachBTX氏が調査に加わっている。記事執筆時点では、どのように攻撃が行われたかはまだ不明だ。アトミックウォレットは500万人以上の利用者がいるとされる。

ツイッターの利用者からは、過去にアトミックウォレットアプリ上の資産が盗まれたという報告もある。「これは6ヶ月前に私のBTCにも起こった。アトミックは単にパスワード、シードフレーズを保護するように返事してきただけだ…私は彼らにそれは不可能だと言った。私がするのは取引し、そして仮想通貨を移すだけだ。だから彼らに、これ以上利用しないと言った。今、私の予想は正しかった!」と、投稿に対する一つの反応で利用者は述べた

5月28日には、分散型金融(DeFi)アプリのジンボス・プロトコルが攻撃を受け、4000ETHが失われた。また、分散型仮想通貨ミキサーのトルネードキャッシュも最近ハッキング被害にあった。5月20日には、攻撃者が120万票を不正な提案に付与し、プロトコルのガバナンスを完全に掌握した。

チェイナリシスの報告によれば、昨年は主に北朝鮮に関連した攻撃者がDeFiプロトコルを悪用し、約38億ドルが盗まれたと推定される。TRMラボの別の分析では、2023年第1四半期の事件数は変わらなかったものの、平均ハック規模は前年の第1四半期の約3000万ドルから1050万ドルへと減少した。

しかし、TRMラボは、「残念ながら、この減速は一時的なものであり、長期的な傾向ではないだろう」と指摘。わずかな大規模攻撃の可能性を警告した。