アトランタ連邦準備銀行が出したWeb3と金融サービスへの影響に関する論文が、仮想通貨コミュニティで関心を集めている。カリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネス・スクールのクリスティン・パーラー教授による17ページの論文は基本テキストとしての役割を果たしており、その網羅性は注目に値する。

この論文はブロックチェーンについての議論から始まり、「データは『ウォレット』や『アドレス』と呼ばれる特定の場所に整理・保存される」と説明している。必要な背景を提供した後、パーラー氏は、分散型金融(DeFi)と金融インフラについて検討する。

パーラー氏は、分散型自律組織(DAO)の規制上の課題に言及し、「明確な法人格」がないため、規制当局との対話が難しいと指摘している。さらに、以下のように述べている。

「トークンを担保として利用するダークサイドは、さまざまなプロトコル間で相互接続性が生じ、規制当局がシステムリスクを見積もりや理解することが難しくなることだ」

パーラー氏の議論は、貸付プロトコルやステーブルコインのブランド名が数多く言及されている。パーラー氏によれば、Web3金融インフラは、取引のコストと速度の面で従来型の金融に対して優位性を持っている。例えば、サプライチェーンを通じたコスト削減により、貿易の資金調達が大幅に改善される可能性がある。

論文では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に触れ、DeFiプロトコルを外国為替に適用しようとする最近始まったプロジェクト・マリアナについても言及している。

パーラー氏はステラとリップルにも言及し、リップルのXRPトークンを「国際的な決済手段や卸売決済コインとして構想されている」と説明している。リップルは、モンテネグロなどの国とCBDC開発のための取引で注目を集めている。

さらにパーラー氏はトークン化された銀行預金についても議論している。このトークン化された銀行預金というアイデアは、USDFコンソーシアムのロバート・モーガンCEOが最近、米国下院小委員会で「従来の金融とDeFiの間の第三の道」として紹介したものだ

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン