世界的な資産運用大手のノーザン・トラストが、仮想通貨を運用するヘッジファンドに対して資産管理(カストディアン)など一部のサービスの提供を開始したことが明らかになった。フォーブスが31日に報じた。資産運用額が1.2兆ドルという既存の大手金融機関も、仮想通貨業界を無視できなくなってきていることを示している。

 フォーブスによるとノーザン・トラストは、直接的に仮想通貨の資産管理を行うわけではないが、仮想通貨に興味を持つヘッジファンドに対して投資の評価方法やアンチマネーロンダリング(AML)などでアドバイスをするという。

 またノーザン・トラストのピート・シェレクウィッチ社長は、フォーブスとのインタビューの中でブロックチェーン技術に「慎重な」姿勢で取り組むものの、ブロックチェーン上に政府に裏付けられた仮想通貨が発行される未来に向けて準備をしていると話した。

 ノーザン・トラストは、今年の春、4大会計事務所のPwCと組んで、ブロックチェーンを基盤にした商品を立ち上げたと発表。この商品を使えば、監査法人がプライベート・エクイティのブロックチェーンに保管されているファンドのデータをリアルタイムで監査できるという。