ビットコインやイーサ、そして新興のアルトコインも「買い」であると、これまでリスクオフだった投資家が語っている。
2月8日に公開されたブログ記事で、業界の重鎮であるアーサー・ヘイズ氏は、現在の仮想通貨投資計画を明らかにした。
"リスク資産"に方針転換
米連邦準備制度理事会の金融政策に起因する現在のマクロ経済状況では、アーサー・ヘイズ氏はリスク資産を避けるべきだとしてきた。
しかし、FRBの利上げに連動してインフレが鈍化する中、FRB、議会、財務省は自分たちの思うように経済の舵取りができるようになるとヘイズ氏は予想する。
ヘイズ氏は、2023年上半期は仮想通貨にとって理想的な投資環境となる可能性があると指摘した。
元BitMEXのCEOであるヘイズ氏は1月中旬、FRBによるリスク資産への降伏イベントを恐れて傍観しているとしていたが、態度を転換したようだ。
8日のブログで「2023年後半に起こる可能性が高い、この潜在的な結果に対する懸念から、余裕資金をマネーマーケット・ファンドと短日米財務省証券に預けている」と説明した。
「そのため、私が最終的に仮想通貨を購入するために使用するつもりの流動性資金の一部は、安値から見られる現在のモンスターラリーに乗り遅れている。ビットコインは、FTXが崩壊する頃に見た16,000ドルの安値から50%近く上昇した」
ヘイズ氏は、1月だけで40%の上昇にもかかわらず、ビットコインの反発はまだ先と予想しており、リスク資産環境を2009年や量的緩和の開始と比較した。

今年は、量的緩和が量的引き締めに移行し、リスク資産を犠牲にして米国金融システムから流動性が取り除かれるという複雑な様相を呈している。
しかし、上半期では、債務上限の早期達成を回避するために流動性が一部戻され、緩和が進んでいるように見える。この状況は、夏に議会が債務上限引き上げを決議するまで続く可能性があり、ヘイズ氏はこれが不可避であると主張している。
財務省一般会計(TGA)の現金は5000億ドル分空っぽになり、FRBが取り除いている月1000億ドルの流動性は帳消しになる。
「TGAは年央のいつかには枯渇する。その直後、米国では債務上限の引き上げをめぐる政治的な騒動が起こるだろう」とブログ記事で予測した。
「米国政府が債務上限引き上げを見送り、代わりに同システムを支える資産のデフォルトを決定すれば、欧米主導の法定通貨金融システムは一夜にして崩壊することを考えると、債務上限は引き上げられると見て間違いないだろう」

マクロの "揺り戻し"を見据える
その時こそ潮目が変わり、リスク資産が再び浮上する可能性がある。
すべてはタイミングの問題であるとヘイズ氏は考えている。同氏の計画では、米ドルの現金に移行し、そこから厳選されたリスク資産に移行することだ。そこからビットコインに投資する。
「今後、順次投資していく予定だ。私の投資サイズが実際に影響を与えられればいいが、そうはならないだろう。そのため、これが起こったときに、ビットコインの価格に明らかな影響を与えるとは思わないでほしい」と読者に語った。
しかし、今後、アルトコインは大きな機会を表すと説明し、これらも同様にタイミングによって条件付けされるとした。
「シットコインの鍵は、波状的に上下することを理解することだ。まず、仮想通貨の基幹資産が上昇する。これはつまり、ビットコインとイーサだ。これらの資産の上昇は最終的に停止し、その後価格はわずかに下落する」とヘイズは市場のサイクルを解説。
「同時に、複数のシットコインは積極的なラリーを演出する。そして、シットコインは重力を再発見し、関心はビットコインとイーサに戻る。そして、この階段状のプロセスは、強気相場が終了するまで続く」