香港に拠点を置くブロックチェーンゲーム開発のアニモカ・ブランズは公式声明を発表し、メタバースファンドの調達目標額を20%引き下げというロイターの報道を否定した。さらに2022年7月時点で60億ドル(約6兆6000億円)だったとされる企業価値が、2023年3月にはおおよそ20億ドル(約2兆2000億円)に急落したとの見方にも否定的な見方を示した。

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問題のファンドは2022年11月に発表され、メタバースに焦点を当てた中~後期スタートアップに投資することを目的としていた。当時アニモカブランズの共同創設者で会長のヤット・シウ氏は、ファンドの目標額は10億ドル(約1兆1000億円)から20億ドル(約2兆2000億円)の間であるとしていた。

声明の中でアニモカブランズは「アニモカ・キャピタルのファンド目標が20億ドルから10億ドルに"削減"されたという主張は正確ではない。なぜなら10億ドルは常に宣言された範囲内だったからだ」と述べている。

同社は、米国での銀行破綻がもちろん影響を与えたことを認めたが、調達の最終額はまだ決定されていないと強調した。

またリーク情報についてシウ会長はコインテレグラフに対し、ロイターの報道の根拠になっている情報源が匿名であることから「情報源やその意図を正確に把握することが難しく残念」としている。

また同社の事業評価額(バリュエーション)に関して、アニモカブランズは、ロイター通信が報じた数字やさらに引用された「他の2人」の情報源による数字が不正確であると主張している。

アニモカブランズは当初オーストラリア証券取引所(ASX)に上場されていたが、2020年3月に仮想通貨関連活動を含むASXの上場規則違反があったとして上場廃止となった。それ以降、同社の株式はシドニーを拠点とするPrimaryMarketsなどの未上場株に焦点を当てた取引所で取引されている。