ブロックチェーン分析会社ナンセンによると、FTXが破綻する前に、FTXとアラメダリサーチの間でFTTトークン41億ドル分が移動されたことがわかった。
ナンセンの報告書は、FTX元CEOのサム・バンクマン=フリード氏が設立した2つの企業であるFTXとアラメダリサーチの密接な関係を強調している。
FTXの破綻は、2022年9月にアラメダの146億ドルの資産のうち40%がFTTトークンで保有されていると報道されたことが発端とされる。
しかし、ナンセンのアナリストは、報道が明らかになる前にFTXとアラメダの間で疑わしいオンチェーンのやりとりを観察した。9月28日から11月1日までの間に、アラメダはFTXに41億ドル分のFTTトークンと、米国ドルペグのステーブルコインを合計で3億8800万ドル送金した。

オンチェーンのデータによれば、FTXは総供給量の3億5000万FTTのうち約2億8000万FTTトークンを保有していた。ブロックチェーンのデータは、数十億ドルにのぼるFTTの取引量が、さまざまなFTXとアラメダのウォレット間で頻繁に移動していたことが明らかになった。
ナンセンはまた、FTTトークンの供給の大部分が、企業トークンと売れ残った非企業トークンで構成され、3年間の創業株主間契約にロックされていたことも強調している。契約の唯一の受益者は、アナリストによればアラメダが管理するウォレットだ。
2つの企業がFTTトークンの供給の約90%を管理していたことを考慮すると、ナンセンはこれらのエンティティが互いのバランスシートを支えることができたと示唆している。
報告書によれば、アラメダはFTTトークンを相対取引で販売した可能性があり、仮想通貨のレンディング企業からの融資の担保としても利用された。
「この理論は、FTX、アラメダ、ジェネシストレーディングウォレット間で、2021年12月に最大17億ドルの取引量を伴う定期的な大規模な入出金を観察した歴史的なオンチェーンデータに支えられている」。
テラエコシステムの崩壊とスリー・アローズ・キャピタル(3AC)の破産が、FTTの価値の低下によりアラメダの流動性問題を引き起こした可能性がある。これにより、FTXからの40億ドルのFTT担保付きローンに繋がったようだ。
「私たちのオンチェーンデータは、これが実際に起こった可能性があることを示している。2022年6月中旬の3ACの崩壊のさなか、アラメダはFTXのウォレットに当時の価値が約40億ドルだった約1億6300万FTTを送金した」
研究者らは、この40億ドルの取引量が、バンクマン=フリード氏に近い関係者がロイターとのインタビューで明らかにした40億ドルのローンの金額と一致していると主張している。

また、ブロックチェーンのデータは、アラメダが2022年11月6日にバイナンスのCEOであるジャオ・チャンポン氏がアラメダのバランスシートに関する否定的な報告を受けてトークンを売却すると発表した後、FTTトークンを22ドルでバイナンスから購入する提案を実現できなかったことも示している。