「Lonely」などで有名なグラミー賞受賞のラッパーのエイコン(Akon)氏が進めている仮想通貨プロジェクト「Akoin」は、ケニア西部のムワレ・メディカル・テクノロジー・シティ(MMTC)で行われた最初のパイロットテストで成功を収め、近い将来の全国展開に向けて準備を進めている。

MMTCの広報担当者によると、2020年11月に始まったこのパイロットテストでは、MMTCで月に500万ドル相当の取引が行われることが期待された。既報のように、パイロット段階では、住民はAkoinを使って支払いが可能で、その取引はすぐに携帯電話の利用料金などに変換された。

本格的な導入は9月からの予定で、毎月の取引額は増加を続けており、2022年には20億ドルに達する可能性があると予想される。その時には、Akoinは都市におけるビジネス取引の唯一のプラットフォームとなっているだろう。

Akoinは、起業家や経営者、社会活動家が、アフリカの新興市場で問題となっている多くの障害を抱えることなく、地域内で取引できるように設計された仮想通貨だ。

Akoinプロジェクトでは、最初の6ヶ月間で5000人、2022年末までに20000人の利用者を目標にしているが、本格的な導入を成功させるために、MMTCは「大規模なプロジェクト」を予定。MMTCは9月にAkoinを紹介するイベントを予定しており、広く受け入れられることを目指す。広報担当者は次のように説明する。

「9月に予定されている大規模なローンチイベントでは、MMTCの新しい病院棟を立ち上げる。さらにハンプトンズ病院の5000床のベッドでAkoinを有効化し、Akoinのアトミック・スワップ、決済代行サービス、Akoinのクレジットカードおよびデビットカードを利用して、月に3万件の取引を行う予定だ」

広報担当者はさらに、2022年末までにAkoinは、アフリカやその他の発展途上国で普及している送金・マイクロファイナンスサービス「M-Pesa」に次いで、「2番目に人気のある決済プラットフォーム」になることが期待されていると説明した。