分散型金融(DeFi)のほぼ全ての取引はイーサリアムをベースとしているようだ。

分散型アプリ(DApps)のランキングサイトであるダップレーダー(DappRadar)は新しいレポートを発表した。このレポートによると、総取引量の96%がイーサリアムブロックチェーン上で行われたことがわかった。

レポートによると、今年第3四半期に、分散型金融(DeFi)全体のトランザクションが1250億ドルに達した。第2四半期から1130億ドルも増加した。このうちの96%がイーサリアムブロックチェーンだったという。

イーサリアムのスマートコントラクトにロックされた総額も100億ドルを突破し、プロジェクトとしては分散型取引所(DEX)のユニスワップ(Uniswap)とステーブルコインのメーカーダオ(MakerDSO)、DEXのカーブ(Curve)がリードしているという。DeFi全体にロックされている総額は、現在108億ドルほどで、今年6月時点はわずか10億ドルだった。

分散型金融にはイーサリアム以外にもEOSなどのブロックチェーンが使われているが、イーサリアムには追いついていない。

また、第3四半期のデイリーでアクティブなウォレットの数ではイーサリアムが57%で最も多く、ついでトロンが35%、EOSが5%だった

第3四半期にイーサリアムプロトコルに最も貢献したのは、ユニスワップとスシスワップ、バランサー、コンパウンドで、デイリーアクティブウォレットの56%に貢献した。また、EOSも勢いを増し、Defibox、Dmd.Finance、DeFis Networkが4,300以上のデイリーアクティブウォレットを生成した。

ダップレーダーは第3四半期に分散型金融がこれほどまでに注目を集めた理由について「イールドファーミング」を挙げている。

イールドファーミングは仮想通貨(暗号資産)をプラットフォームに預けることによって流動性を提供する見返りに利息を獲得できる行為のこと。コンパウンドやバランサー、スシスワップ、ユニスワップなどはこのイールドファーミングによって、大きな人気を集めた。6月上旬にはコンパウンドだけで取引量は40億ドルに到達。

その後ユニスワップとスシスワップの台頭によって、数十億ドルがDeFi市場に流入したとレポートは報告した。9月にはユニスワップがガバナンストークンであるUNIトークンをリリースしたことでDeFiの全取引量の60%に当たる330億ドルが発生した。

今後の展望としては、現在イーサリアムネットワークが大混雑していることで別のブロックチェーンの需要を生み出していると指摘。既報の通り、イーサリアムの手数料がビットコインを2ヶ月連続で上回ったことがわかっている。このため、今後最も注目すべきプロトコルとしてバイナンスを挙げている。