2020年からのビットコイン(BTC)のパフォーマンスを世界各国のグローバル通貨で比較すると、日本円や米ドルでは60%台上昇となっているが、アルゼンチンやブラジル、ロシア、トルコといった国の通貨では100%上昇となっている。
仮想通貨(暗号資産)アナリストが示したデータによれば、ビットコインは世界の主要通貨ベースで50%~128%の上昇のパフォーマンスを示している。
出典: DriftwoodPalace 様々な法定通貨に対するBTCパフォーマンス
今回の分析を行った仮想通貨アナリストは、ツイッターで次のように指摘している。
「様々な通貨とタイムフレームのもとでビットコイン価格をアップデートした。年初来からの比較から初めてみよう。BTC価格は、EUの57%上昇から、アルゼンチン、ブラジル、SA(南アフリカ)、ロシア、トルコなどの100%以上まである(価格は公式の米ドル為替レートに基づいており、実際とは異なる場合がある)」
ビットコインは、通貨切り下げやインフレに対して非常に優れたパフォーマンスを発揮していることになる。たとえば、アルゼンチンペソは2019年で53.9%下落しており、インフレ率は過去30年で最高レベルに近づいている。
ブラジルリアとアルゼンチンペソに対して、ビットコインは128.4%と103.5%の上昇を記録している。一方で米ドルやユーロ、日本円といった主要通貨では56~69%の上昇だ。
ラテンアメリカの多くの国の不安定な経済は、ビットコインの需要を引き上げさせている。アルゼンチンやベネズエラといった国ではピアツーピアのビットコイン取引が記録的なレベルにまで高まっている。
2020年のはじめ以来、著名ヘッジファンドマネージャーのポール・チューダー・ジョーンズ氏が、ビットコインがインフレ耐性のある資産として評価し、実際に資産の2%をビットコインに投じていることが大きく注目された。
最近では、ナスダック上場のビジネスインテリジェンス企業マイクロストラテジーが、自己勘定資産としてビットコインを大量購入した。マイクロストラテジーは2万1454BTC(約260億円相当)を購入し、同社CEOのマイケル・セイラー氏は、ビットコインを信頼できる価値保存手段であると評価している。
「今回の投資は、ビットコインが世界で最も普及している仮想通貨で頼れる価値保存手段であり、現金保有よりも長期的には上昇する可能性を秘めた魅力的な資産クラスであるという我々の信念に基づいている」
実際、年初来でのすべての法定通貨に対するビットコインの強力なパフォーマンスは、BTCが価値の保存手段として進化しているという主張を強化する可能性があるだろう。
2020年3月にはビットコイン価格がほかの金融商品や指数よりも下落したことにも注意する必要がある。ビットメックスではBTC価格が65%の下落を記録した。
それにもかかわらず、ビットコインはその後に大きく反発し、今月には年間最高値である12,400ドルを記録した。8月の高値と年初来の価格を比較すると、244%の上昇となる。BTCの強力な勢いについて、今回の分析を行ったアナリストは次のように指摘している。
「今年はじめ、ビットコインはほかのどの商品やインデックスよりも激しくクラッシュした。これほどの損失を取り戻した指標や資産はほとんどない。一方、ビットコインは2月中旬からすべての通貨に対して上昇している」
BTCのポジティブな価格トレンドと、法定通貨に対する強力なパフォーマンスをみて、アナリストたちはビットコインが現在の不確実な経済の中で繁栄し続けることができると考えている。
コインシェアーズの最高戦略責任者であるメルテム・デミロース氏は、次のように述べている。
「ビットコインは景気循環のどこに位置しているのか?経済の不確実性とドル安の中、ビットコインは金と同じ方法で利益を得る可能性がある。ビットコインの金融化が続けば、金融システムから隔離され続けることができなくなる」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン