デジタル資産運用会社21シェアーズは4月9日、ミームコインのドージコイン(DOGE)に連動する現物型上場投資信託(ETF)を米証券取引委員会(SEC)に申請した。これは、同様に現物ドージコインETFの申請を行っているビットワイズやグレースケールに続く動きだ。
SECへのフォームS-1申請によると、21シェアーズが計画する「21シェアーズ・ドージコインETF」は、ドージコインの市場価格を追跡することを目的とし、ドージコイン財団の法人部門であるハウス・オブ・ドージがETFのマーケティング支援を行う予定だという。
カストディアン(資産保管業者)については、コインベース・カストディが候補として挙げられているが、手数料、ティッカーコード、上場予定の取引所については現時点で明らかにされていない。
ETFとして正式に承認されるには、フォームS-1に加えて19b-4申請の提出も必要とされる。これによりSECの審査プロセスが正式に開始される。
ドージコインは時価総額8位
ドージコインは2013年にジョークとして作られた仮想通貨だ。現在の時価総額は242億ドルで、仮想通貨全体で8番目の大きさを誇る。
21シェアーズはこれまでに、現物型のビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)のETFを提供しており、今回のドージコインETF申請は、同社の仮想通貨ETFラインナップ拡大の一環となる。
また、今年2月にはポルカドット(DOT)の現物型ETFを、昨年にはXRPの現物型ETFを申請しており、積極的にETF拡大を進めている。
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は2月、最近のETF申請の急増について「スパゲッティ砲方式」と表現。「発行体はさまざまなETFを一気に申請して、そのうちどれがSECに受け入れられるかを試している」と指摘した。
セイファート氏と同僚のエリック・バルチュナス氏は、現物型ドージコインETFが2024年中に承認される可能性は75%と予測しており、ブロックチェーン予測市場のポリマーケットでも、現在の承認確率は64%と見積もられている。
スイスでも現物型ドージETPを上場
さらに21シェアーズは同日、スイスのSIXスイス証券取引所にて、ドージコインに完全連動する上場商品(ETP)を上場すると発表した。こちらもハウス・オブ・ドージとの提携によるもので、ティッカーは「DOGE」、手数料は年率2.5%となっている。
21シェアーズのプレジデント、ダンカン・モイア氏は次のようにコメントしている。「ドージコインは単なる仮想通貨にとどまらず、文化的かつ金融的なムーブメントとなっている。このETPは、そうしたプロジェクトに参加したい投資家に対し、規制された形でアクセスを提供するものだ」。