南アフリカの1800億ランド(1兆5400億円)規模の大手投資会社シグニア・アセット・マネジメントが、今年後半に仮想通貨取引所を立ち上げる計画を明らかにした。ビジネステックがこのほど報じた

 シグニアのマグダ・ワイゼツカCEOが、第3四半期に「シグニアコイン」という独自の取引所を立ち上げると発表した。

「仮想通貨市場は国際的にも国内的も急速に進展しており、国内・海外の資金の流れを引きつけている。フィンテックに特化したシグニアは、仮想通貨を採用し、投資家に安全な取引・実行プラットフォームを提供する最初の大手金融機関になれる体制が整っている。国際的なインフラや適切に設計された管理体制、それに標準貯蓄商品との統合に裏付けされたプラットフォームだ」

 ワイゼツカ氏はセキュリティ面と規制順守を重要視し、それらの要素が南アフリカという環境で発展すると考えている。また、南アフリカ歳入庁(SARS)が「仮想通貨は課税対象である」との規定をすでに発表していることにも触れ、国内でさらなる仮想通貨規制の枠組みが導入されると予測している。

 一方、シグニアコインの基本的な運営方針は、米国ニューヨーク州登録の仮想通貨取引所が採用している既存の規制枠組み(15年8月に導入されたNYビットライセンス)に置かれることになる。

 取引サービスに加え、専用のファンドを設立し、小売や法人のクライアントの代理として多様な仮想通貨に投資する予定だ。シグニアの投資家は仮想通貨以外の資産とともに、口座で仮想通貨を保有することができる。

 南アフリカ準備銀行(SARB)は今週、仮想通貨は「金銭としての要件を満たしておらず、サイバートークン」だと宣言したばかりだ。SARBが今年、仮想通貨規制に専門的に対処するフィンテックのタスクフォースを設立したのを受け、このような声明が出された。

 4月には、仮想通貨・フィンテック業界の発展を監督する自主規制機関も設立された。この機関は「体系的なリスク」の防止を意図しているが、急激に発展する仮想通貨空間の「成長を阻害しないように」慎重に対応していく、と準備銀行は強調している。