金融コンサルタント企業デヴィアグループ(deVere Group)の創業者兼CEOのナイジェル・グリーン氏は、ビットコイン(BTC)の最近の強気の動きは、金(ゴールド)のような実績のある安全な避難資産に置き換わる力があると語っている。
7月27日にデヴィアのウェブサイト上で掲載された記事の中で、グリーン氏はビットコインは現在、「デジタルゴールド」の名前の通り、安全な資産としての地位を確保していると指摘している。さらに長期的にはビットコインが金の地位を奪う可能性もあると主張している。
「金はこれまで究極の安全資産として知られていたが、ビットコインが、その希少性と価値の保存手段という特徴から、将来、世界がよりテクノロジー主導となっていくに従い、長期的には金の地位を奪う可能性がある」
グリーン氏は、投資家が伝統的な市場の混乱から資産を保護する方法として、ビットコインという「分散化した非主権的なセキュアなデジタル通貨」を選択する理由の1つとして、米国と中国との間の政治的緊張の高まりを挙げている。
米政府が先週、ヒューストンの中国領事館を閉鎖することを命令。そして中国政府もその報復として成都での米国領事館を閉鎖するよう決定した。「世界の2つの経済大国である米国と中国との間の緊張が高まったため、ビットコインの強気が実現することになった」と、グリーン氏は述べる。
「米中対立のような地政学的な問題により、多くの投資家はビットコインを含む分散化した非主権的なセキュアなデジタル通貨へのエクスポージャーを増やし、伝統的な市場で起きている混乱から自身を守るようになっている」
グリーン氏のコメントは、7月26日にビットコインが1万ドルを突破した後に出されたものだ。その後、ビットコインはさらに上昇を続け、記事執筆時点では1万1000ドル付近まで上昇している。
金の上昇も続くか
伝統的な安全資産である金(ゴールド)もビットコインと同じく急騰している。米政府が新型コロナウィルス(COVID-19)の経済対策として1兆ドル規模の景気刺激策を策定しているというニュースを受け、足元で金は1オンスあたり1,975ドルと過去最高値にまで上昇している。
著名な金支持者であるピーター・シフ氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和策を継続し、紙幣の印刷を続けているため、金の価格はしょる相手機に2,000ドルを超えて急騰し続けると予測している。米ドルは現在、2年ぶりの安値となっているが、シフ氏は米ドルの下落は「始まったばかりだ」と指摘している。
「アメリカの生活水準を低下させる新たな深みに突入しようとしている」と、シフ氏は予測している。金とビットコインの両方は、経済の不確実性が増す中で、投資家にとってより良いヘッジ手段として機能していくのかもしれない。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン