12月20日、バイナンスが仮想通貨デリバティブ取引所FTXと戦略的出資を実施。大口サポートを行っていく意向を示した。

FTXが外部からの出資を受け入れたのは、今回のバイナンスが初めて。出資を伴う提携により、この機会が両社にとってきわめて重要であることが示されたといえる。両社のパートナーシップにより、デリバティブ業界にはよりすぐれた金融商品とプラットフォームが生まれることだろう。業界の垣根を超えた魅力的なビジネスチャンスの創出も期待されている。

すでに過去数年間にわたって、FTXは、仮想通貨の定量的取引を行う会社アラメダ・リサーチ(Alameda Research)と同様にバイナンスと強力なパートナーシップを築いてきた。FTXは、バイナンスの取引所トークンであるBNBをスポットと先物に上場させており、米ドルペッグのステーブルコイン「BUSD」も投入している。BNBをFX取引の証拠金として利用することも可能だ。FTXの親会社であるアラメダ・リサーチは、かねてよりバイナンスと提携し、Binance.com、Binance OTC、Binance.USなどバイナンスが展開する金融商品に流動性を提供してきた。両社はすでに世界最高の流動性をもつスポットおよびデリバティブ取引所を有しているが、今回のバイナンスとFTXのパートナーシップによりさらなる高みを目指していくことになる。

バイナンスは非常に頼りがいのあるパートナーで、FTXは今回の提携以前にもバイナンスからサポートを受けていた経緯がある。バイナンスは世界有数のスポット取引所かつ最も急速に成長している企業で、その経験とノウハウがFTXの成長の糧となることだろう。すでにバイナンスは、Binance Launchpad、Binance Labs、Binance Charity Foundation、Binance Xなど、取引所ビジネス以外にも業界で最も包括的なエコシステムを構築している。その実績は、FTXが今後さらに広範なエコシステムとプラットフォームを構築するうえで必ず役立つはずだ。バイナンスのグローバルな活動からエンパワーメントを受けることで、FTXも業務範囲を拡大することができる。バイナンスがFTXの組織的成長に貢献する影響力はいかばかりか、それを思うと興奮を禁じ得ない。新しいバイナンスファミリーは、グローバルな流動性をさらに向上させ、トレーディング機能の範囲と性能もさらなる向上を遂げていくことだろう。

FTXは、今年5月にオープンして以来、着実な成長を見せている。最初の8ヵ月で、一日当たりの取引高は 5億米ドルに達し(ピーク時は10億ドル以上)、世界の仮想通貨取引所のトップ10にランクインした。FTXは業界最高の流動性を誇り、プロダクト面から見ても、革新的かつ利用者のニーズをとらえた金融商品群を発表している。また、エコシステム用のトークン、FTTもローンチした。BNBをモデルにして開発されたFTTは、買入れ焼却、手数料割引、FX取引用の証拠金ボーナス等の特典を持つことから人気を集め、時価総額上位トップ40にランクしている。FTXでFTTを取引できるようになったのは今年7月からで、上場以来FTT/BTCは100%以上の上昇を見せ、本年の運用パフォーマンスは業界最高クラスとなった。

今回のバイナンスからの出資と技術的なサポートにより、FTXの成長は加速し、そのサービスも強力かつ迅速なものとなるだろう。すでにいくつかの新しい企画も進行中だ。なお、FTXは、今回の提携によりバイナンスの指揮下に入ったわけではなく、今後も独立した運営を継続する。業界内外のパートナーとのさらなるコラボレーションの実現が楽しみだ。