ILCoin Blockchain Projectが、ブロックサイズの新記録となる「5Gbブロック」の導入に成功。この快挙は、11月後半に発表されたばかりのRIFTプロトコルによって可能となった。ILCoinは、ブロックチェーンの原理に叶っていながらも、スケーラビリティとon-chainストレージの効率性の問題の双方を解決した最初のプロジェクトとなった。

分散記帳技術の主な特徴は、「ブロックが改竄不可能」「手数料が安い」「透明性が高い」「仲介者が不要」等である。これらの特長により、暗号技術とそれを応用したブロックチェーン技術は、経済社会に大きな需要を生み出した。しかし、スケーラビリティの問題がここ数年、ブロックチェーン技術の進歩の足かせとなってきた。多くのプロジェクトが、ブロックサイズを大きくしたり、サーバ間でシャード内のデータを分散したり、off-chainソリューションを利用するなど様々な方法を模索してきた。しかし、これまでの方法はいずれも、ブロックチェーンの「セキュリティ」と「分散化」の特性を毀損しかねなかった。

ILCoinは、もともと2015年にローンチされた当初は仮想通貨のプロジェクトだった。そしてその4年後、ブロックチェーンのプロジェクトとして生まれ変わった。その主な目的は、業界で最も差し迫った問題を解決して、ブロックチェーンの使いやすさを向上させ、on-chainデータストレージの有効なソリューションを見つけることであった。ILCoinの開発チームにとって、2019年は2つのきわめて重要なブレークスルーがあった年。今年初旬、プロジェクトチームはハッカーからの攻撃をシャットアウトするC2Pコンセンサスを開発し、ネットワークのセキュリティをこれまでにない水準まで引き上げた。そして、今年11月、スケーラビリティの問題を解決する、RIFTプロトコルを公開した。

この開発を持って、ILCoinはブロックチェーン技術を基礎から再考慮し、サトシ・ナカモトによって提唱された理念を、現時点の高度な要求水準をクリアしうるまったく新しい技術基盤に当てた。その根幹となるRIFTプロトコルは、「標準ブロック」とトランザクションを含む「ミニブロック」という2層のブロック構造を特徴としている。

他の標準的なブロックと異なり、「ミニブロック」はマイニングされずにシステム内で生成される。それこそが、ネットワークに無限の拡張性をもたらすこととなった。データの保持はミニブロック同士が相互参照によって連結され、親ブロックにも接続されることによって行われる。このようなユニークなアーキテクチャに加え、RIFTは「同時非同期化」の新しいメカニズムを導入した。これは、個々のブロックを並列同期させることによって、ネットワークの渋滞を防止するというものである。

「RIFTプロトコルはブロックチェーンの既成概念に変革をもたらした。同時非同期化はもはや技術的に可能なものとなったし、RIFTによってFIFOとボトルネックの双方の問題が解決され、巨大なブロックをかつてないスピードで管理することができるようになった」と、ILCoinのエグゼクティブマネージャーであるNorbert Goffaは語っている。

「5Gbのブロック・サイズ」「3分間隔のブロック生成時間」「232バイトのトランザクションウェイト」の条件下で、RIFTは、ブロック当たり23,140,987txというきわめてハイパフォーマンスな処理速度を記録した。開発者によれば、技術的制約は現時点でのネットワーク容量だけだという。

新しいコードをシステムに統合するため、ILCoinブロックチェーンプロジェクトはハードフォークを実施し、そのほぼ直後に拡張ブロックをリリースした。11月末以降、5Gbブロックは、スケーラビリティの問題が完全に解決されたことを示す証拠としてライブネットの利用を開放した。現在、ILCoinのエコシステムはほぼ完全に機能を取り戻し、ILCコインのトランザクションも徐々に再開され、取引所はフォークの実装を続けている。

RIFTはそのすぐれた特性により、ブロックチェーン業界全体に新しい時代の幕開けを告げた。大規模ネットワーク内で高い効率性を維持し、コストパフォーマンスにすぐれたオンラインストレージの堅牢な基盤を構築しうる画期的なソリューションなのである。

このプロジェクトに関する最新ニュースについては、ILCoin DevチームのTelegramをチェックしてください。RIFTテクノロジーのブルーペーパーは、公式ウェブサイトで入手できます。